出産入院における「個室か大部屋か」問題。大部屋を選んでみた感想
料金が個室も大部屋も変わらない病院や、全室個室の病院も中にはあるようですが、
私が出産した病院では、個室と大部屋、どちらを希望するかを事前に尋ねられました。
そらもちろんプライバシーが守られる個室の方が望ましいのですが、個室は大部屋より料金が高額であるというのが一般的です。
事前に選択しなければならないのも相まって、快適さと値段を天秤にかけて迷う方も多いのではないでしょうか。
で、私はさほど迷わず大部屋を選択。
私が出産した病院では個室と大部屋では1泊1万円くらいの差額が出ました。
個室の大部屋との機能の違いは「壁」と「洗面台」くらいで、あとはちょっとスペースが広くて来客が座れるソファがある…くらいのものでした。
第二子出産で子連れ入院の人などは個室でしょうが、私は初産で子どももいないし、「割とどこでもグースカ眠れる」というスキルを持っているので他の人が出入りしたところで別に気にならない。赤ちゃんの泣き声やお見舞いに来てくれた人との話し声で同室の人に迷惑をかけてしまうかもしれない…という点については、大部屋であればお互い様、という暗黙のルールもあるでしょう。
事前に見学させてもらったところでは目隠し用の必要最低限のカーテンはついており、まあお見舞い等で人を呼ぶ時に周りに迷惑をなるべくかけぬよう配慮できれば特に問題はないのではないか、という考えでした。
私が出産した病院では、個室と大部屋、どちらを希望するかを事前に尋ねられました。
そらもちろんプライバシーが守られる個室の方が望ましいのですが、個室は大部屋より料金が高額であるというのが一般的です。
事前に選択しなければならないのも相まって、快適さと値段を天秤にかけて迷う方も多いのではないでしょうか。
で、私はさほど迷わず大部屋を選択。
私が出産した病院では個室と大部屋では1泊1万円くらいの差額が出ました。
個室の大部屋との機能の違いは「壁」と「洗面台」くらいで、あとはちょっとスペースが広くて来客が座れるソファがある…くらいのものでした。
第二子出産で子連れ入院の人などは個室でしょうが、私は初産で子どももいないし、「割とどこでもグースカ眠れる」というスキルを持っているので他の人が出入りしたところで別に気にならない。赤ちゃんの泣き声やお見舞いに来てくれた人との話し声で同室の人に迷惑をかけてしまうかもしれない…という点については、大部屋であればお互い様、という暗黙のルールもあるでしょう。
事前に見学させてもらったところでは目隠し用の必要最低限のカーテンはついており、まあお見舞い等で人を呼ぶ時に周りに迷惑をなるべくかけぬよう配慮できれば特に問題はないのではないか、という考えでした。
■大部屋で予想外だったこと
①出産後の人だけでなく陣痛真っ只中の産婦さんが入ってくることも
なんと、入院1日目は大部屋にも関わらず他に誰もおらず貸し切り状態!ラッキーイィ!
大部屋で正解だったか!?と思ったのもつかの間、その夜、カーテンで仕切られただけの隣の病室に複数の気配が。
「ハァ、ハァ、ハァ…痛い、痛い…ハァ…」
「大丈夫?もうちょっとだから頑張りなさい」
なんと、入ってきたのは陣痛真っ只中の妊婦さん、とその付き添いのお母さん。
そうなのです。私の入院した病院。
いざお産になって初めて知ったのですが、陣痛で病院に駆け込むと簡単にモニターされ、まだ本陣痛ではないとみなされると病室にて待機させられるシステムなのです。
陣痛室なんつーもんがあるから、てっきり陣痛室にずっといるもんだと思ってたわ。
病室で待機して様子を見つつ、頃合いを見て陣痛室に入りしばらく陣痛に苦しみ、産める段階になったら分娩室に移動して出産するという流れです。
私も前日「まだ本陣痛じゃないから病室で待ってて」と言われて1時間くらい、病室で待機してました。
その時は同じ部屋に誰もいなかったけど。
病室待機していた時の私にはまだまだ余裕があって、暇ができたので友人や夫とLINEしていたくらいでした。
でも、カーテン一枚隔てた向こうの妊婦さんはそんな段階はとうに過ぎ去り、出産1時間前の私くらいの呼吸で苦しんでる。
これはもう、どう見ても陣痛室に行っていいレベルだと思うんだが…?
病室が分娩室の隣に位置している病院もあるようですが、なんと私の入った病院では、病室が陣痛室も分娩室も遠いのです。
結構な距離を歩いて陣痛室まで向かわねばならない。
しかもここ、私と隣の妊婦さんの病室は、最悪なことに陣痛室と分娩室から一番遠い病室。
そこそこ余裕のあった私でさえ、無限回廊のような距離に感じたくらいだ。隣の妊婦さんなどいわんや。
何故なのか、陣痛室が混んでるのか?
多少の物音では気にならない私ですが、さすがに苦しんでいる人が真隣にいれば気になるし、つい先日の自分の苦痛を思い出してしまう。
まあ「苦しいんだよねえ…わかるよ、頑張れ…」と心の中で応援するくらいで、できることはないんですが…
で、突然大量の水音と苦しそうな息遣い。
どうやら妊婦さんが嘔吐し、ベッドを汚してしまったらしい。すぐにお母さんと思しき人が看護師さんを呼んできて、妊婦さんは陣痛室へ…
ああ、そうだ。結構陣痛中って吐きつわりの上位互換みたいな吐き気を催すんですよね。私は嘔吐まではしなかったが、陣痛中の嘔吐はさほど珍しいことではないらしい。
とはいえカーテン一枚隔てた隣でそんな壮絶な陣痛真っ最中の人がいたら落ち着いて眠れるはずもなく。
夜なのに全然落ち着かなかったです。
②想像以上にプライバシーが守られないことがある
産後は体ガタガタなのでできるだけ負担の少ない環境であるのが理想です。
簡素で風通しの良い私の病室は、夫が「やっぱり個室にすれば良かったね…?」とのたまう程度には落ち着けないように感じたようです。
隣の音もダダ漏れであるのはもちろんのこと、産後の体調をチェックしに来る看護師さんや助産師さん、食事の配膳や清掃の方が突如「ITTINさーん!お具合いかがですかー!」と返事を待たずにカーテンをシャッと開けて現れるのも日常茶飯事、基本的にプライバシーは無いと考えて良いでしょう。
あと、私の病室は幸いにもカーテンを完全に閉められたんですが。
中にはカーテンを全て閉めてもどうしても隙間ができてしまい、外から見えてしまう病室もありました。
ええ…マジで…これはない。
丸見えってわけではないものの、気分のいいものではない。この病室に当たらなくて良かった。
■大部屋で問題なかったこと
①むしろ病室は狭い方が良い
出産後驚愕したのが、行動範囲が極端に狭まること。
出産初日、何と言っても動けない。
すぐそこに置いてある鞄の中身すら漁れません。見舞いに来てくれた母親や夫に頼んでモノを取ってもらう始末。
動けないとは、座れない、立てない、歩けない。
熱は38度近く出たし、体も鉛のようだったのだ。
いや全身全霊を振り絞れば辛うじてベッドからそろそろと立ち上がってトイレまでは行けるのですが、そのさま徘徊するゾンビのごとし。
動くたびに傷口が痛むのでそういった必要最低限の動作以外は寝て過ごし、体力の回復に努めることになる。
(2日目からはどうにか歩けました)
ご飯を食べるにも股が痛くて座れない。座れないので横に寝転がりながら食べる感じでした。
当然、「部屋が広い」というのはデメリットにはなりこそすれメリットにはならないわけです。
むしろベッドに寝転んでいても手が届くスペースが多く確保できる部屋の方が優秀であると言えるでしょう。
②多分個室を選んでも眠れなかった
産後は「赤ちゃんの泣き声」に過敏になります。
夜なんて消灯後の病棟には昼夜の区別がない赤ちゃん達の泣き声が響き渡る。
自分の赤ちゃんの声ももちろんですが、他の赤ちゃんも大合唱してる時もある。
で、個室とは言えど完全防音になっているわけでもないのでどのみち夜間に赤子の声で起こされるのは必至。
そして、例え完全防音だとしても授乳のために深夜でも起こされる。
どのみち自分の赤ちゃんに起こされる。結局睡眠は奪われるのである。
③やっぱり個室よりは安く済む
室料が個室と大部屋では1日1万円の差が出るということは、4泊5日だと5万円も支払額に差が出てしまう。
さらにさらに、意図せず帝王切開になった場合や、経過が悪い場合は入院も長引いてしまう。
実際のところ個室の質がそこまで良いとも思えず。
もし風呂やトイレが個室についていたとしても、傷口が開くのが嫌でそんなに頻繁には使わなかったでしょう。
総合すると、「不便ではあるけどまあ、高額なコストをかけるほど個室にメリットがあるわけではないので大部屋でええやろ。」という感想でした。
しかしまあこれは病院ごとの違いも大きいでしょうし、最適解は人それぞれなのかもしれません。
①出産後の人だけでなく陣痛真っ只中の産婦さんが入ってくることも
なんと、入院1日目は大部屋にも関わらず他に誰もおらず貸し切り状態!ラッキーイィ!
大部屋で正解だったか!?と思ったのもつかの間、その夜、カーテンで仕切られただけの隣の病室に複数の気配が。
「ハァ、ハァ、ハァ…痛い、痛い…ハァ…」
「大丈夫?もうちょっとだから頑張りなさい」
なんと、入ってきたのは陣痛真っ只中の妊婦さん、とその付き添いのお母さん。
そうなのです。私の入院した病院。
いざお産になって初めて知ったのですが、陣痛で病院に駆け込むと簡単にモニターされ、まだ本陣痛ではないとみなされると病室にて待機させられるシステムなのです。
陣痛室なんつーもんがあるから、てっきり陣痛室にずっといるもんだと思ってたわ。
病室で待機して様子を見つつ、頃合いを見て陣痛室に入りしばらく陣痛に苦しみ、産める段階になったら分娩室に移動して出産するという流れです。
私も前日「まだ本陣痛じゃないから病室で待ってて」と言われて1時間くらい、病室で待機してました。
その時は同じ部屋に誰もいなかったけど。
病室待機していた時の私にはまだまだ余裕があって、暇ができたので友人や夫とLINEしていたくらいでした。
でも、カーテン一枚隔てた向こうの妊婦さんはそんな段階はとうに過ぎ去り、出産1時間前の私くらいの呼吸で苦しんでる。
これはもう、どう見ても陣痛室に行っていいレベルだと思うんだが…?
病室が分娩室の隣に位置している病院もあるようですが、なんと私の入った病院では、病室が陣痛室も分娩室も遠いのです。
結構な距離を歩いて陣痛室まで向かわねばならない。
しかもここ、私と隣の妊婦さんの病室は、最悪なことに陣痛室と分娩室から一番遠い病室。
そこそこ余裕のあった私でさえ、無限回廊のような距離に感じたくらいだ。隣の妊婦さんなどいわんや。
何故なのか、陣痛室が混んでるのか?
多少の物音では気にならない私ですが、さすがに苦しんでいる人が真隣にいれば気になるし、つい先日の自分の苦痛を思い出してしまう。
まあ「苦しいんだよねえ…わかるよ、頑張れ…」と心の中で応援するくらいで、できることはないんですが…
で、突然大量の水音と苦しそうな息遣い。
どうやら妊婦さんが嘔吐し、ベッドを汚してしまったらしい。すぐにお母さんと思しき人が看護師さんを呼んできて、妊婦さんは陣痛室へ…
ああ、そうだ。結構陣痛中って吐きつわりの上位互換みたいな吐き気を催すんですよね。私は嘔吐まではしなかったが、陣痛中の嘔吐はさほど珍しいことではないらしい。
とはいえカーテン一枚隔てた隣でそんな壮絶な陣痛真っ最中の人がいたら落ち着いて眠れるはずもなく。
夜なのに全然落ち着かなかったです。
②想像以上にプライバシーが守られないことがある
産後は体ガタガタなのでできるだけ負担の少ない環境であるのが理想です。
簡素で風通しの良い私の病室は、夫が「やっぱり個室にすれば良かったね…?」とのたまう程度には落ち着けないように感じたようです。
隣の音もダダ漏れであるのはもちろんのこと、産後の体調をチェックしに来る看護師さんや助産師さん、食事の配膳や清掃の方が突如「ITTINさーん!お具合いかがですかー!」と返事を待たずにカーテンをシャッと開けて現れるのも日常茶飯事、基本的にプライバシーは無いと考えて良いでしょう。
あと、私の病室は幸いにもカーテンを完全に閉められたんですが。
中にはカーテンを全て閉めてもどうしても隙間ができてしまい、外から見えてしまう病室もありました。
ええ…マジで…これはない。
丸見えってわけではないものの、気分のいいものではない。この病室に当たらなくて良かった。
■大部屋で問題なかったこと
①むしろ病室は狭い方が良い
出産後驚愕したのが、行動範囲が極端に狭まること。
出産初日、何と言っても動けない。
すぐそこに置いてある鞄の中身すら漁れません。見舞いに来てくれた母親や夫に頼んでモノを取ってもらう始末。
動けないとは、座れない、立てない、歩けない。
熱は38度近く出たし、体も鉛のようだったのだ。
いや全身全霊を振り絞れば辛うじてベッドからそろそろと立ち上がってトイレまでは行けるのですが、そのさま徘徊するゾンビのごとし。
動くたびに傷口が痛むのでそういった必要最低限の動作以外は寝て過ごし、体力の回復に努めることになる。
(2日目からはどうにか歩けました)
ご飯を食べるにも股が痛くて座れない。座れないので横に寝転がりながら食べる感じでした。
当然、「部屋が広い」というのはデメリットにはなりこそすれメリットにはならないわけです。
むしろベッドに寝転んでいても手が届くスペースが多く確保できる部屋の方が優秀であると言えるでしょう。
②多分個室を選んでも眠れなかった
産後は「赤ちゃんの泣き声」に過敏になります。
夜なんて消灯後の病棟には昼夜の区別がない赤ちゃん達の泣き声が響き渡る。
自分の赤ちゃんの声ももちろんですが、他の赤ちゃんも大合唱してる時もある。
で、個室とは言えど完全防音になっているわけでもないのでどのみち夜間に赤子の声で起こされるのは必至。
そして、例え完全防音だとしても授乳のために深夜でも起こされる。
どのみち自分の赤ちゃんに起こされる。結局睡眠は奪われるのである。
③やっぱり個室よりは安く済む
室料が個室と大部屋では1日1万円の差が出るということは、4泊5日だと5万円も支払額に差が出てしまう。
さらにさらに、意図せず帝王切開になった場合や、経過が悪い場合は入院も長引いてしまう。
実際のところ個室の質がそこまで良いとも思えず。
もし風呂やトイレが個室についていたとしても、傷口が開くのが嫌でそんなに頻繁には使わなかったでしょう。
総合すると、「不便ではあるけどまあ、高額なコストをかけるほど個室にメリットがあるわけではないので大部屋でええやろ。」という感想でした。
しかしまあこれは病院ごとの違いも大きいでしょうし、最適解は人それぞれなのかもしれません。
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