妊娠・出産での痛み・苦しみランキング-陣痛は5位-

タイトルからしておわかりでしょうが、誰が喜ぶんだかわからん記事を書いてしまった。

※痛み苦しみに弱い方や下半身ネタ苦手な方、特にこれから妊娠出産を予定されている方閲覧注意とさせていただきます。
いいか、読むなよ!絶対読むなよ!

出産前まで、一番苦しいのは「産む時(陣痛・分娩)」だと思っていました。
そりゃあ自分の体から3kgもあるような大きいものを出すなど手品師もかくやという経験をしたことがないわけなので、恐怖や不安を感じるのも至極当然のことでありましょうよ。

世間ではそういった陣痛や分娩時の痛みばかりが「出産に伴う痛み」として認識され、逆に言えばまるでそれさえ乗り越えれば万事OK、陣痛以外の痛み苦しみはない(あるいはメチャクチャ軽い)という扱いなのです。

だから私も、経験するまでは陣痛が一番キツイんだ、それを乗り越えるのが出産なんだと思っていました。
つわりとか、産後の諸々とかは「オマケ」という印象だったのです。

いざ経験して終わってみると、思ってたんと違う…!
いやもちろん出産が一番痛い人もたくさんいらっしゃるでしょうが、私の場合 妊娠前には一番苦しいんだろうと思っていた陣痛の痛みは5位でした。
出産の痛みが一番じゃない、と夫に言ったら「え、そうなの!?」と驚かれました。

n=1の体験談ですが、ネットの隅っこで個人的なランキングをひっそりと綴っておきます。


◆1位:妊娠性痒疹

1位はどう考えてもこれ。苦痛度、苦しむ期間、QOLの低下度、予後、どれを取ってもダントツ1位。
発狂するレベルの苦痛はこれしかありません。
そもそも自分がこれに苦しむなんてことも予測できませんでした。

24時間終わることのない痒み、痛み、出血が妊娠初期から後期まで半年以上にわたり続き、夜もろくに眠れず布団の上でもがき苦しむ日々が延々と続きます。
まともな皮膚が無くなるので見た目の破壊力も大。産後は症状改善しますが痕が残ります。

そのさま、呪いを全身に受けたアシタカのごとく。
呪いを解いてくれるシシ神が存在するなら即刻旅に出て土下座します。

更に致命的なのはつわりやお産と違って 知名度がない&妊婦の1%程度しか出てこない&症状の重さは個人差あり…らしいので、苦痛を理解してくれて、サポートしてくれる人が周りに一人たりともいません。なんなら産婦人科医でさえ助けてくれない。誰にも理解されない孤独とも戦わなければなりません。

◆2位:妊娠9か月目に起きた謎の胃腸炎様症状

胃腸炎「様」症状であって胃腸炎ではないのですが、一番近い表現だと思うので。
命に別状なし。原因は不明です。

妊娠9か月の頃でしょうか。
里帰りしてしばし、その時は普段はおへそのあたりに待機してる赤ちゃんが胸の下あたりにいたんですね。
「今日は変なところにいるな~」と思いつつ胎動もあったし痛みはないしで特に異常はなかったので、実家で出された夕食をいつも通り食べ、ふうと一息ついた途端。

ぎりぎりぎりぎり…と 夕食を食べ終えて5分もしないうちに、脂汗と激しい腹痛が出てきました。
何、なんなの急に、胃腸炎?食中毒?食あたり?いや直感的に違う、でもこれは絶対やばいやつ。

まさか、常位胎盤早期剥離?それだと命に関わる。いや、でもなんかそれとも違う気がする。経験したことないけど。

瞬間湯沸かし器のごとく発生した腹痛に慌ててトイレに駆け込み、貧血のようなめまい、下痢、嘔吐、脂汗、とにかく苦しみまくりました。
もはや便座に座った姿勢を維持する力すら入らず、トイレのドアノブにもたれかかりながら救急車を呼ぼうか本気で迷うことしばし。

こんなことになって赤ちゃんは大丈夫だろうか…と思った瞬間、赤ちゃんが腹の中で動きました。

良かった、無事だーと安心したのもつかの間、「アタタタタァ!ホアチャアア!」って感じでとにかく胃や肺などの内臓を蹴りまくる…ッ!げふっ…、ひぃー、やめてくれェ…!

嘔吐と腹痛で苦しんでるところに更に内臓を体の内部からドカスカ殴られることなんて今まで生きてきた中で経験したことあります?私はそんなバイオレンスな経験は初めてです。
しかもゼロ距離どころじゃない体の内部から蹴られるから逃れられないし、やめてくれと訴えても相手は言語が通じないんですよ!

陣痛よりキツイのかというと陣痛よりキツイです。
陣痛は痛いけど痛みの波があり、”休憩タイム”がわずかにでも存在する上、プロのサポートが常についている。
しかしこちらは一切休憩なし!最終的に8時間苦しみ続けました。それも後に経験する陣痛よりも長い時間でした。

トイレ地獄とホワタタ赤子の猛攻がようやく収まると、今度は脱水と電解質異常を引き起こし、屍のごとく力尽きる。
心配して待機してくれていた母親が作ってくれた経口補水液が尋常でなく美味に感じる。マジ実家で良かった。

うっ…赤子に蹴られたせいか今度は肺が痛い。息が深く吸えない。なぜか肋骨も痛い。布団だと圧迫されて痛かったので、リビングのソファに一晩中フウーフウー息を切らせて瀕死の状態で横たわっていました。

結局なんだったのかはわかりませんが、多分赤ちゃんが変なとこにいて胃を圧迫してる状態でご飯を食べたことに起因しているのでは、とぼんやり思っております。
翌日に胃腸症状は改善しましたが、苦しむのに力を入れ過ぎて怒責性紫斑というブツブツの真っ赤な内出血が顔面いっぱいに現れ、回復に数日かかりました。
わずか数時間の間にあらゆる苦痛が起こり過ぎでしょ。

ちなみにその8時間で1キロ体重が落ちてました。
なお、その後の検診でも異常なし、生まれた赤ちゃんも特に問題はなかったです。

◆3位:産後の会陰切開の痛みと悪露のダブルパンチ

事前に情報が乏しかった「産後」。
割とお産に関しては分娩を楽にするための体操を調べたり出産体験記など読んで心の準備をしたり、と”予習”するのですが、産後の体調についてはあまり情報がなく。産んだら”なるようになる”と思っていたのですが、終わってから「聞いてないぞ!」と思うような不快で痛い症状が出てくる出てくる。もっと事前に知っていたら…。まあ知ってたところでどうにもなるもんでもないんですが。

てなわけでとりわけキツかったのが会陰切開後の痛み、それに加えて子宮の残留物が排出される悪露というもの。
単純に股を縫って座るのも立つのも歩くのも、何をしてても痛いのに、これまた同じ場所から血のようなものが出てくるわけなので、QOLとテンションの低下具合が半端なし。この時ばかりは自己治癒力が半端ない超魔生物になりたい。

しかもこの悪露、個人差はありますが産後6週間くらいまで出続ける。
ただでさえ座るだけで縫合した場所が痛いんですが、授乳するのに赤ちゃんを抱いて座らなきゃいかん時なんて赤ちゃんの重みでプレスされて更に痛みます。円座クッション必須でした。てかクッションあっても痛い。


◆4位:つわり

そろそろ陣痛をランクインさせるか迷うところですが、

もし、もう一度妊娠するとして、シシ神から”「つわりが一切ない出産」と「陣痛が一切ない出産」のどちらかを選べる。どちらを選ぶか?”と言われれば、つわりのない出産を選びます。
すなわち、陣痛の方がマシッ…!

厳密には辛いのはつわりそのものというより、「つわりがある状態で妊娠前と同じ勤務時間で妊娠前と同じ仕事をしなければならない」ことですね。
私が専業主婦だったら陣痛の方が上位かな。

◆5位:陣痛

単発で短時間の痛みだから5位に入れましたけど、いや、痛かったですよ。
腰にバネ入れて無理やり広げられるようなガツンガツン来る痛みでした。
ただ、人生で一番の痛みってほどではない。体感的には親知らずがMAXで痛み出した時の疼痛の方が上です。

あと、陣痛って波があるので、少しだけ”休憩”ができるんですね。
で、お産が進むとその休憩できる間隔はどんどん短くなるので、ほとんど休みなくガンガン痛みが来るようになると「うおぉ、もうちょっと休ませろ!助けてくれェ!」って感じなんですが、私の場合最高に痛い時間は3時間程度だったように思います。いやそれまでも既に痛いし、3時間エンドレスに痛み続けるって体験してる本人からすればメチャクチャ長いんですが、超・安産の部類だそうです。
(母子手帳に記載された分娩時間は8時間でした)

ただ、初産の陣痛の何がキツイかって、未経験の痛みなだけあって「いつ終わるか見当がつかない」んですね。
3時間程度で終わると最初からわかっていれば時計と睨めっこしてればいいんですが、初産の場合 陣痛中は「これが12時間以上…もしかしたら3日続くのかもしれない」という”終わりの見えない”恐怖と戦いながら耐えるわけなので、そういった精神的な点を加味すると決して楽だったとは言えない。経産婦だと一度は経験してるから多少はお産の進み具合がわかるので、もう少し楽になると思います。

付き添いの人がいれば腰をさすってもらったりテニスボールみたいなものでお尻を押してもらうと軽減するようです。
まあ私は夫は遠方、両親はなぜか病院の手違いで家に帰されてしまい立会いの人間がいなかったので 腰をさすってくれる人なんておらずセルフテニスボールでした。「ITTINさん一人で孤独に戦って偉いね、もうすぐだよ」って不憫に思ったらしい助産師さんに励まされました。
孤独て。それを聞いて私ではなくなぜか隣のベッドで陣痛が始まったばかりの妊婦さんが号泣してました。いやなんでやねん。

出産が終わった後に安産と言われましたが、助産師さんに「え、コレで安産ですか?コレで?」って何度か聞き返してしまいました。
”安産”って単語、「痛くない苦しくない楽なお産」ってイメージが世間に浸透しすぎなんですよ。
おかげで大変さが夫に伝わりませんし、多分「母子ともに健康で良かったなあ」くらいにしか思ってないと思います。
いずれ出産レポート書くかも。

◆6位:会陰切開後の縫合

裂傷を防ぐため、赤ちゃんが出てくる直前に出口をちょっとだけパチンて切るんですね。でその後縫合するわけです。
最初聞いた時はそんな想像するだけで恐ろしいことがこの世の中に存在する(そしてあまり知られていない)のかと血の気が引きました。

で、切られたのはわかるんですが一瞬のことなのでこれは痛くなかったです。問題は出産直後の縫合。

麻酔が効いてから縫い始めてほしいとお願いしましたが華麗に無視されました。
当日たまたま主治医の先生がおらず応援の先生だったんですが、もし次があるとしたらあの先生に当たるのは勘弁なので産院変えたい。

数時間続く陣痛と比べたら20分くらい(だった気がする)で終わったので、苦しむ時間が短いことを考慮して陣痛の次に入れました。

◆7位:赤ちゃんを出す痛み(分娩)

鼻からスイカとか言いますけど、そんな感覚はなく、痛みを感じなかったです。

陣痛がMAXになると「早く赤ちゃんを外に出して楽になりたい感覚」がすごいんですけど、分娩台に上がるまでに散々「赤ちゃん出てくる感じがあってもまだ出してはダメ」とストップを食らってまして、分娩台でGOサインが出された時にはそれはそれは「おっしゃあこいつを出せばもう終わり!」という終わりが見えた喜びの方が勝っていて、痛みは感じず。

脳内麻薬でも出てたのかもしれませんが、赤ちゃんはちょっと力入れただけでぽろっと落ちてきた感じ。

◆8位:おっぱいマッサージ

私の入院した産院では、母乳を出すために乳腺開通を目的に助産師さんがマッサージをしてくれました。

魅惑の響き「おっぱいマッサージ」ですが、その魅惑的なニュアンスとは対照的に初産の者にとっては地獄です。激痛足つぼマッサージがおっぱいで行われていると言えばイメージがつきやすいかもしれません。母乳が中に詰まって固く張ったおっぱいをゴリッゴリッと音が出そうな勢いで押し潰されます。

個人的な痛みレベルでは陣痛と競うくらいですが、なんといっても救いは人の手によるものだということです。
マッサージしてくれている助産師さんに「やめてくれえぇ!」と命乞いをすればいつでも中止できる、という点で見ると他の痛みより下位になるのが妥当でしょう。


以上。
こんなもんでしょうか。

妊娠出産に伴う痛みがバラエティに富み過ぎて事前のイメージと剥離しすぎてたので、ランキングにしてしまいました。

完全に私一人の経験なので誰の役にも立たん情報ですが、もしかしたら旦那さんに理解を得られなくて悶々としている産婦さんや、奥さんの痛みを理解できず辛く当たられて苦しんでいる旦那さんの肥やしくらいになれば幸いです。
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プロフィール

ITTIN

Author:ITTIN
会社員地味子。2016年12月にひっそりと結婚。
独身時資産は2500万くらいあるよ。
資産公開・内訳
<推移>( )内は前年比
2009年23歳 238万(+202万)
2010年24歳 498万(+260万)
2011年25歳 720万(+222万)
2012年26歳1032万(+312万)
2013年27歳1369万(+337万)
2014年28歳1738万(+369万)
2015年10月2000万円達成

2016年2月、本を出したよ。
素敵なレビューを書いていただき感謝!
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