結婚指輪探訪記1-婚約指輪を見に行ってみた-
結婚指輪。
既婚の人たちが薬指にはめているアレや、結婚式の時にカタコトの神父さんの前で夫婦がお互いに交換するアレかと思っていたのですが、結婚指輪は「マリッジリング:結婚指輪(結婚後お揃いではめるやつ)」と「エンゲージリング:婚約指輪(婚約の証として女性だけはめるやつ)」の2種類あるらしいことを知りました。
他にもプロポーズの時に指輪パカッという演出をしたい人用に、「プロポーズリング」なるものも売っているらしい。
(そして失敗するリスクがあるためか、こっちの方が安価な点に大人の事情が垣間見える)
なるほど、需要に合わせていろいろ用意されているのですな。
高そうだな、と思いましたがやはり、案の定その感想は当たってました。
ブライダル関連のものは例外なく高価なり。
指輪探しの旅が始まるのです。
※この後 数記事続きます
既婚の人たちが薬指にはめているアレや、結婚式の時にカタコトの神父さんの前で夫婦がお互いに交換するアレかと思っていたのですが、結婚指輪は「マリッジリング:結婚指輪(結婚後お揃いではめるやつ)」と「エンゲージリング:婚約指輪(婚約の証として女性だけはめるやつ)」の2種類あるらしいことを知りました。
他にもプロポーズの時に指輪パカッという演出をしたい人用に、「プロポーズリング」なるものも売っているらしい。
(そして失敗するリスクがあるためか、こっちの方が安価な点に大人の事情が垣間見える)
なるほど、需要に合わせていろいろ用意されているのですな。
高そうだな、と思いましたがやはり、案の定その感想は当たってました。
ブライダル関連のものは例外なく高価なり。
指輪探しの旅が始まるのです。
※この後 数記事続きます
◆お店で話を聞いてみた
考えるきっかけになったのは、旅行先で「ついでに」と某県にある某店に連れて行ってもらったこと。
この時点で予備知識ゼロなので、知識なしで行くと鴨になる可能性が非常に高そうだなと思ったのですが、この機会を逃してはもうリア充体験は一生できないと思い 親鴨について行く子鴨(ネギつき)のごとくついて行きました。
こじんまりしたお店で入った瞬間からメッチャ空いてましたので、真っ先に店員のお姉さんが来て「何をお探しですか?」と声をかけてくれました。
親鴨もとい彼が「婚約指輪を」という返事をしたので、「探しに来たのは婚約指輪なのか」とそこで理解しました。いやこの時点でまだプロポーズされてなかったような気がしますがまぁ細かいことは気にしねえ。
席に着くと、目の前のショーケースに並べられていたのは、本来ダイヤモンドのあるべき場所が空洞になっている指輪たち。台座のみでした。
ダイヤモンド達は「気に入ったダイヤを探せるように」でしょうか、座った場所の後ろの壁にずらっとピアス売り場のように飾ってありました。
その無防備さにセキュリティを心配してしまいましたが、でもまあ迂闊に宝石に手を出せば、強靭な体躯の相撲取りがソイヤソイヤと押し寄せてくるようになっているに違いありませんし、実はそこらへんの置物が宝石に手を出したら正体を現して襲い掛かってくるガーゴイルかもしれないし、なんなら目の前でニコニコしているお姉さんが、宝石に手をつけた途端万引きされた時の風来のシレンの店主のごとく猛烈かつ執拗な頭突きを繰り出してくるかもしれないのです。あな恐ろしや…。
出来心から引き金を引いてしまった風来のシレンの店主の猛追を思い出してトラウマで震えていたところで、台座のみの指輪の前に並べられている「-60,000-」とか「-80,000-」とか「-120,000-」とか書いてある値札が目に留まりました。
「あれ、意外と安い指輪がある」と口にしたところ、お姉さん「台座のみの値段なんです」とのこと。…ま、まさか…そう…。
「選んでいただいたリングの爪にダイヤモンドをはめて、オーダーの指輪を作っていただけるんです」
好きな台座と、唯一無二の好みのダイヤモンドを組み合わせて”世界で一つだけの指輪”を作るシステムなのだと知りました。
うおお…すごい…。職人の技や!
ただ、量産品の中で気に入ったデザインの指輪があるといいなぁと思っていたところなので、そういうシステムのお店ではないことがわかり、オリジナル仕様分コストが高くつきそうな印象もありました。
その後 店員さんによるヒアリングと試着、ダイヤモンドの説明が始まりました。
◆ヒアリング
聞かれたのは「どんな指輪が好きか」という点でした。
すなわち、指輪の形は王道にストレートがいいのか上品に見えるウェーブがかってるのがいいのか、
細いのがいいのか太いのがいいのか、
王道の立て爪がいいのかメインの石以外にもキラキラくっついているのがいいのか、
台座はシンプルがいいのか凝ったデザインがいいのか…
お姉さんがいろいろなリングの爪に実際のダイヤモンドをのっけて指にはめてくれ、「こっちのデザインの方がお好きですか?」と聞いてくれるのですが、若干処理し損ねていた指毛の存在が気になってそれどころではなかったので、これから指輪の試着に行く女子の皆さんはお気を付けください。
どれも素敵だったのですが、とりあえずどれが好みか感じるままに選んで行って、王道の細身の指輪をチョイス。
なお選んだ指輪は、台座だけで8万円くらいするもようでした。
◆ダイヤモンドの4C
ダイヤモンドの価値は主に4cとやらで決まるとのこと。
すなわち、カラーcolor:色、クラリティclarity:透明度、カラットcarat:重さ、カットcut:研磨。
お姉さんの説明はわかりやすく、初心者の私はほうほう…と聞いていましたが、彼は事前に知識を仕入れていたらしく、ウムウムともっともらしく頷いてました。
一言でまとめると、
カラー:色が白ければ良質、質が落ちるにつれて黄色味が増す。
クラリティ:純度が高ければ良質、不純物が混ざり込めば透明度が下がる。
カラット:ダイヤは重いほど希少価値がある(カラットとは、ダイヤの大きさではなく重さなのだ)。
カット:ダイヤモンドの輝きや美しさが映える精巧な研磨であるほど、価値が高くなる。
てなことでした。
要は「白く・透明で・重くて・光り輝く」ダイヤモンドが高級なグレードと鑑定されるようです。
まず最初にお姉さんが取り出したのが16万円のダイヤモンド。
ダイヤの中でも結構良い部類に入るダイヤモンドだとのことでした。
ペンライトで光を当てるとまあキラキラ光る光る。
なるほど、世の女子はこの輝きに魅了されて魔法にかけられてしまうのですな。
なんてきれいなんだ…!
お姉さん「これだと、8万円のリングと16万円のダイヤモンドで、合わせると24万円ですね。」
やめてくれ、私には値段を聞くと魔法が解ける呪いがかかっているのだ。
魔法が解けたところで考えてみれば、この指輪は十分すぎるというかパンピーの私には分不相応なほど高価なのだが、下限はどのような感じなのだろうか。
やはり、グレードを落としたものは素人目にもはっきりわかってしまうほど「違う」のだろうか?
「これよりグレードの低いダイヤモンドも見せてもらっていいですか?」
むくむくと沸き上がる好奇心を抑えきれず、パンピー丸出しの要望をお姉さんにお願いしてしまいましたが、快く「はい!こちらです~」と12万円のダイヤモンドを見せていただけました。
12万円でも十分高価ですが…。
なんと…。
さっきより4万円分もグレードが下がったのに、
とんと見分けがつかん…。
大きさも輝きも色も全く同じに見える…。
試しに二つ隣に並べてもらいましたが、ぜんぜんわからん…。
同じく初心者の彼氏も当然わからんだろうと思ったら神妙に「いや、こっち(高いダイヤ)の方が光を当てた時の輝きが良い気がする」みたいなことをしたり顔で言ってましたが、んなもん自然光の下で後ろ向いてシャッフルして「どーっちだ?」とやったらお前さんだって絶対わからなくなるじゃろ。
ここまで見分けがつかないとなると、私の目が節穴である可能性が浮上してきました。
まさに豚に真珠、吾輩にダイヤ。
使う本人が価値を理解していないと、男気を発揮して大枚はたいて買ってくれようとしている彼も、指輪の職人さんも、当の指輪も気の毒じゃありませぬか。
分不相応な感じがするので、もう少し私に相応なお値段のものはないのだろうか。
いや昔は「いざと言う時質に入れて売れるように」って意味でも渡してたらしい説もあるようですが。
ダイヤモンドってコモディティですからね。
要は長期間持ってたところで自ら金利や配当を生み出すシロモノではないということ。
何かあった時の担保って意味を込めて贈り物をするのなら、宝石(コモディティ)じゃなくて株式でも買ってもらった方が目的に適っていそうです。
さておき、一番低いグレードのダイヤも見せてもらおうと思ったんですが、そのお店ではダイヤの質を厳選しているので、一定以下のグレード…すなわち質の低いダイヤモンドは置いていないとのこと。
そのお店ではどれを選んでも最低20ウン万以上はかかりそうだったので、一旦お店での散策は諦め、お姉さんにお礼を言って出直すことに。
うーむ。なるほど。
帰途につきながら彼と会話しました。
彼「指輪、買わなくて良かったの?気に入ったのあったらここで買っても良かったんだよ」
私「ありがとう。しかし、少し我に時間をくれたもれ」
彼「気に入ったのなかった?」
私「いや、きれいで素敵な指輪がいっぱいあった。しかし、今までダイヤモンドのことを正四面体格子状の分子構造を持つ炭素原子だとしか認識してなかったので、実際に値段を聞いたら尻込みしてしまった。
ン十万するし、指輪の機能を持つ炭素の化合物にいくら出せるものかちょっと冷静に再検討したい」
彼「あぁ、うん…それは出直した方がいいね」
私「共有結合によってあんなに高価になってしまうとは。ダイヤモンドが希少なのはわかっている、しかし同時にダイヤモンドは黒鉛の同素体だという知識が私を苦しめるのだ」
彼「納得いくようにゆっくり考えたらいいよ」
時間をもらった。
婚約指輪、決して安くない買い物。
指輪リサーチが始まりました。
考えるきっかけになったのは、旅行先で「ついでに」と某県にある某店に連れて行ってもらったこと。
この時点で予備知識ゼロなので、知識なしで行くと鴨になる可能性が非常に高そうだなと思ったのですが、この機会を逃してはもうリア充体験は一生できないと思い 親鴨について行く子鴨(ネギつき)のごとくついて行きました。
こじんまりしたお店で入った瞬間からメッチャ空いてましたので、真っ先に店員のお姉さんが来て「何をお探しですか?」と声をかけてくれました。
親鴨もとい彼が「婚約指輪を」という返事をしたので、「探しに来たのは婚約指輪なのか」とそこで理解しました。いやこの時点でまだプロポーズされてなかったような気がしますがまぁ細かいことは気にしねえ。
席に着くと、目の前のショーケースに並べられていたのは、本来ダイヤモンドのあるべき場所が空洞になっている指輪たち。台座のみでした。
ダイヤモンド達は「気に入ったダイヤを探せるように」でしょうか、座った場所の後ろの壁にずらっとピアス売り場のように飾ってありました。
その無防備さにセキュリティを心配してしまいましたが、でもまあ迂闊に宝石に手を出せば、強靭な体躯の相撲取りがソイヤソイヤと押し寄せてくるようになっているに違いありませんし、実はそこらへんの置物が宝石に手を出したら正体を現して襲い掛かってくるガーゴイルかもしれないし、なんなら目の前でニコニコしているお姉さんが、宝石に手をつけた途端万引きされた時の風来のシレンの店主のごとく猛烈かつ執拗な頭突きを繰り出してくるかもしれないのです。あな恐ろしや…。
出来心から引き金を引いてしまった風来のシレンの店主の猛追を思い出してトラウマで震えていたところで、台座のみの指輪の前に並べられている「-60,000-」とか「-80,000-」とか「-120,000-」とか書いてある値札が目に留まりました。
「あれ、意外と安い指輪がある」と口にしたところ、お姉さん「台座のみの値段なんです」とのこと。…ま、まさか…そう…。
「選んでいただいたリングの爪にダイヤモンドをはめて、オーダーの指輪を作っていただけるんです」
好きな台座と、唯一無二の好みのダイヤモンドを組み合わせて”世界で一つだけの指輪”を作るシステムなのだと知りました。
うおお…すごい…。職人の技や!
ただ、量産品の中で気に入ったデザインの指輪があるといいなぁと思っていたところなので、そういうシステムのお店ではないことがわかり、オリジナル仕様分コストが高くつきそうな印象もありました。
その後 店員さんによるヒアリングと試着、ダイヤモンドの説明が始まりました。
◆ヒアリング
聞かれたのは「どんな指輪が好きか」という点でした。
すなわち、指輪の形は王道にストレートがいいのか上品に見えるウェーブがかってるのがいいのか、
細いのがいいのか太いのがいいのか、
王道の立て爪がいいのかメインの石以外にもキラキラくっついているのがいいのか、
台座はシンプルがいいのか凝ったデザインがいいのか…
お姉さんがいろいろなリングの爪に実際のダイヤモンドをのっけて指にはめてくれ、「こっちのデザインの方がお好きですか?」と聞いてくれるのですが、若干処理し損ねていた指毛の存在が気になってそれどころではなかったので、これから指輪の試着に行く女子の皆さんはお気を付けください。
どれも素敵だったのですが、とりあえずどれが好みか感じるままに選んで行って、王道の細身の指輪をチョイス。
なお選んだ指輪は、台座だけで8万円くらいするもようでした。
◆ダイヤモンドの4C
ダイヤモンドの価値は主に4cとやらで決まるとのこと。
すなわち、カラーcolor:色、クラリティclarity:透明度、カラットcarat:重さ、カットcut:研磨。
お姉さんの説明はわかりやすく、初心者の私はほうほう…と聞いていましたが、彼は事前に知識を仕入れていたらしく、ウムウムともっともらしく頷いてました。
一言でまとめると、
カラー:色が白ければ良質、質が落ちるにつれて黄色味が増す。
クラリティ:純度が高ければ良質、不純物が混ざり込めば透明度が下がる。
カラット:ダイヤは重いほど希少価値がある(カラットとは、ダイヤの大きさではなく重さなのだ)。
カット:ダイヤモンドの輝きや美しさが映える精巧な研磨であるほど、価値が高くなる。
てなことでした。
要は「白く・透明で・重くて・光り輝く」ダイヤモンドが高級なグレードと鑑定されるようです。
まず最初にお姉さんが取り出したのが16万円のダイヤモンド。
ダイヤの中でも結構良い部類に入るダイヤモンドだとのことでした。
ペンライトで光を当てるとまあキラキラ光る光る。
なるほど、世の女子はこの輝きに魅了されて魔法にかけられてしまうのですな。
なんてきれいなんだ…!
お姉さん「これだと、8万円のリングと16万円のダイヤモンドで、合わせると24万円ですね。」
やめてくれ、私には値段を聞くと魔法が解ける呪いがかかっているのだ。
魔法が解けたところで考えてみれば、この指輪は十分すぎるというかパンピーの私には分不相応なほど高価なのだが、下限はどのような感じなのだろうか。
やはり、グレードを落としたものは素人目にもはっきりわかってしまうほど「違う」のだろうか?
「これよりグレードの低いダイヤモンドも見せてもらっていいですか?」
むくむくと沸き上がる好奇心を抑えきれず、パンピー丸出しの要望をお姉さんにお願いしてしまいましたが、快く「はい!こちらです~」と12万円のダイヤモンドを見せていただけました。
12万円でも十分高価ですが…。
なんと…。
さっきより4万円分もグレードが下がったのに、
とんと見分けがつかん…。
大きさも輝きも色も全く同じに見える…。
試しに二つ隣に並べてもらいましたが、ぜんぜんわからん…。
同じく初心者の彼氏も当然わからんだろうと思ったら神妙に「いや、こっち(高いダイヤ)の方が光を当てた時の輝きが良い気がする」みたいなことをしたり顔で言ってましたが、んなもん自然光の下で後ろ向いてシャッフルして「どーっちだ?」とやったらお前さんだって絶対わからなくなるじゃろ。
ここまで見分けがつかないとなると、私の目が節穴である可能性が浮上してきました。
まさに豚に真珠、吾輩にダイヤ。
使う本人が価値を理解していないと、男気を発揮して大枚はたいて買ってくれようとしている彼も、指輪の職人さんも、当の指輪も気の毒じゃありませぬか。
分不相応な感じがするので、もう少し私に相応なお値段のものはないのだろうか。
いや昔は「いざと言う時質に入れて売れるように」って意味でも渡してたらしい説もあるようですが。
ダイヤモンドってコモディティですからね。
要は長期間持ってたところで自ら金利や配当を生み出すシロモノではないということ。
何かあった時の担保って意味を込めて贈り物をするのなら、宝石(コモディティ)じゃなくて株式でも買ってもらった方が目的に適っていそうです。
さておき、一番低いグレードのダイヤも見せてもらおうと思ったんですが、そのお店ではダイヤの質を厳選しているので、一定以下のグレード…すなわち質の低いダイヤモンドは置いていないとのこと。
そのお店ではどれを選んでも最低20ウン万以上はかかりそうだったので、一旦お店での散策は諦め、お姉さんにお礼を言って出直すことに。
うーむ。なるほど。
帰途につきながら彼と会話しました。
彼「指輪、買わなくて良かったの?気に入ったのあったらここで買っても良かったんだよ」
私「ありがとう。しかし、少し我に時間をくれたもれ」
彼「気に入ったのなかった?」
私「いや、きれいで素敵な指輪がいっぱいあった。しかし、今までダイヤモンドのことを正四面体格子状の分子構造を持つ炭素原子だとしか認識してなかったので、実際に値段を聞いたら尻込みしてしまった。
ン十万するし、指輪の機能を持つ炭素の化合物にいくら出せるものかちょっと冷静に再検討したい」
彼「あぁ、うん…それは出直した方がいいね」
私「共有結合によってあんなに高価になってしまうとは。ダイヤモンドが希少なのはわかっている、しかし同時にダイヤモンドは黒鉛の同素体だという知識が私を苦しめるのだ」
彼「納得いくようにゆっくり考えたらいいよ」
時間をもらった。
婚約指輪、決して安くない買い物。
指輪リサーチが始まりました。
