相場下落時にのほほんとするコツ

投資に飽きてしまったわけではないのですが、2016年に入って早々の下落相場でも、まったりと日々が過ごせました。

実際になったことがないので想像でしかないのですが、このまま値下がりし続けて評価益がまっかっかー、の状態がずっと続いても、リーマンショックが再来しても、多分穏やかに日々を過ごせるんじゃないかと思います。
メインで据えているのが長期を想定した積立投資だからかな。

あくまで私個人の感想ですが、のほほんとできている要因を推測してみたいと思います。
投資額200万が多いのか少ないのかはわかりませぬが、そろそろこういうテーマの記事を書いてもいいよね。




◆「最悪ここまで損するかもしれない」…と思われるラインの更に最悪の事態に想定損失を設定している

長期的に行うインデックス投資の場合、よく「資産が一時的にはメッチャ減る覚悟をしておいた方がよい」という先輩方のアドバイスを耳にします。
というより、下がってこそ(下で拾い集めてこそ)の長期投資だと。

「メッチャ減る」の最大損失の想定ラインが元本半分割るくらいかな~と思ったら更に7割の毀損を想定しておき、ってかもう7割毀損を想定するなら10割でええやろという超アバウトな理由で私の場合はリスク許容度がもうほぼ100%になっている気がします。

(世界経済に投資している資産が100%毀損する事態になったらそれはもう投資の知識じゃなくてサバイバルの技能を学ぶべきことなんだけど、「じゃあどこまで下を想定するのか」ってなるとやっぱりわからないから100%近くになってしまう)


想定損失を多めにしておくと、10%や20%や30%失った程度ではメンタルに響かなくなります。
ここでズボラな性格が活きるとは…。

ついでに言うと長期投資では「ずーっと評価損(マイナス)の状態が続く」という試練を経験することになるのだろうと思いますが、
その期間も10年~15年くらいを想定しています。

つまり15年程度の間ずーっと赤字の状態で元本割れ続けている状態でもどっしりと構えて投資できるように心構えしておく。

数年後あたりの元本を積み立てまくった頃に大暴落で数百万円の損失を被って「みぎゃー」となる可能性もゼロではありませんが、多分そのような事態になっても狼狽することはないかと思います。

評価損が大きくなってきて元本が毀損されまくっている頃にこそ積立額を増やしたら、より合理的に資産形成できるんじゃないかと密かに思っているんですけどね。(人におすすめはしませんよ。)
ここ数年は誰が見ても円安トレンドな感じですが、円高トレンドに入って下げが数年続いたら、赤字のままいそいそと月々の投資額を増やすかもしれません。
(でも「買い時(底)」がわからないから積立投資をしているのでスポット買いはしないと思うし、積立額をいくらにするかなんてその時の収入や生活や家族構成にもよるよね。)


◆買う前からリスク資産の扱いを決めている

ここらへんの考えはわずかな短期売買を経て身に着いたものですが、
取引ボタンを押す前に、投資期間の長短に関わらず、そのリスク資産の扱いを既に決めておくのです。

どれだけ変動してもホールドし続けるのか。
それとも指値を入れておいて、一定の値になったら約定するのか。(利益・損失を確定するのか)

損失を目にして判断を惑わされそうな時は、その資産がどういう扱いのものだったか思い出します。

長期投資の場合は「上がっても下がってもコツコツ継続ホールド」、
短期的な売買の場合は「買う前に利益・損が出た時にどの値で決済するか決めておく」、

といった具合に決めていることが私の場合多いです。
めんどくさがりやなもんで、大体良くも悪くも「ホールド」になっちゃうんですけどね。
ホールドすると決めたら、個別リスク(=一発ドボン)のある資産には大金を突っ込めなくなります。

最初にそれが「上がっても下がっても継続ホールド」と決めて投資した資産だと思い出すと、上がっても下がっても惑わされずに続けられます。だって自分がそう決めたんだもの。
腹に落ちてないと長期投資って多分続けられないんじゃないかと思うお。


◆無リスク資産を多めに取っている

多めの無リスク資産は心の安定剤になるのではないかと思います。

もっとも、私はまだ積立投資を始めて2年経っていないので「安定剤としての無リスク資産」に感謝する機会はまだ訪れておらず、多分数年後に同じテーマで記事を書いたらもっと実感のこもった記事を書けるのではないかと思います。


◆10年スパンで見てみる

年初に日経平均がガクンと落ちましたが、去年や一昨年には同じような値だったなあ、戻っただけだなあと気づくと、割とのほほんとできます。

「落ちるナイフ」相場は短期間に急激に下落するから投資家に恐怖を与えるのであって、10年チャート月足で見た場合はそう変わりがないこともしばしば。
長期投資でも短期投資でも、燃え盛る木を間近で見るより先に、森全体を見るのが良いのではないかと思います。


◆リスク資産と心の距離がある

保有しているリスク資産は「自分のお金」なのですが、どうにも証券口座に入れて株や債券に変わってしまっているお金は自分のものでありながら、自分のものではないイメージなのです。

絵画みたいなもの。
絵の内容はおいしそうな果実が描かれていたり業火が描かれていたりするのですが、見ている限りでは実益も実害もありません。
心に留めておくのは、絵の所有者は自分であるということだけです。
ちなみに、この絵画イメージは期待リターンがプラスであると考えている資産に限ります。
(FOY2015発表会会場では、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんは”観葉植物”に例えて話をしたようですね。イメージ的には似たような感じ)


◆人生の幸せや生死について考えてみる

急に宗教ぽくなりましたが、人生や生き死にについて考えたら投資なんて人生のオマケみたいなもんです。

お金というのは人生の脇役であって、投資などというものは更にそのオマケにしか過ぎない。

ということを考えると、元本が毀損している状態でも比較的軽度の問題として捉えられるようになります。





こんな感じかなあ。
挙げると結構出てきますね。

とまあ実はこの記事は未来の自分に向けて書いています。
今はのほほんとできていますが、数年後あたりにとんでもない金額の損失を被った時は、このページを見て「どんな気持ちで投資するつもりだったんだっけな」と思い返して、のほほんとしたいと思います。

もっとも、これらのことは許容範囲内の金額に留めているから言えること。
投資家が自らの意思で100%コントロールできる要因の一つが”投資金額”です。
投資額の管理はしっかりと行い、失って生活が立ち行かなくなるような金額はもとから投入しないのが吉です。

リスクが自分の許容範囲を超えないようにしつつ、まったりと継続していきたいと思います。
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No title

こんばんは。

年始からの暴落で、資産がだいぶ吹っ飛んでしまいましたが、
そのときに考えたのは家族のことでした。
「家族がいるんで破産は避けたいな・・・」ということで、損切りの決意ができましたが、なんだか髪の毛は多少白くなったような気がしないでもありません。
お金は人生の主役ではないですが、なくなってみると大変切ないものではあります。今年もがんばります。

悪いクセがつく

こんにちは。
投資というものは、そもそも、もうけるためにやるものです。
これは、古今東西、アクティブ投資家でもインデックス投資家でも変わりません。
だから、もうかること以外のことを考える事は、悪いくせを自分につけることになってしまう...

そもそも人間というものは、クセのつく動物です。
喫煙、酒、貧乏ゆすり、愚痴、などなど...

そして、肉体だけじゃなく、思考にもクセというものがあります。
悪いことを考え続けると、悪いクセがついてしまう...

なので、悪いことが起こったときは、素直に、悪い感情が生じることを止めないほうがいいと思います。

たとえば、歯の神経をすべて抜く、もしくは麻痺するようにしたらどうなりますか?
虫歯になっても、自覚症状がないまま、進行してしまいます。
ガンで死ぬ人がいるのも、ガンは初期の自覚症状がないからです。
ステージ0や1でガンが発見されると、ほとんど治りますから。
ステージ3や4でようやく見つかるから問題なんですよ。

というわけで、起こった事実をま正面から受けとめ、苦しみ、それを機会に経済の勉強をするようにしたほうがいいと思います。

No title

そう言えばこんな相場の中ですが資産が2000万円に乗っかりました。

去年の暮れにパソコン上の操作1つで売却可能なリスク資産は85%減らしてて今結構無傷だからです。と言っても一部の外貨建て資産が欝になるくらいマイナスですが(笑)

自分の中で妙な達成感が出てしまったので溜め込んだ2000万円のうち
1900万円は「しまっちゃうおじさん」にしまわれたという設定にしておいてまたぼちぼち貯めます(笑)

「しまっちゃうおじさん」はなんでもしまっちゃうおじさんです。知ってる?

No title

こんばんは。
私もインデックスファンド積立してるのですが
この年末年始から10%弱減ってますね。
でも下がってるので同額で口数多く買えるので
逆にチャンスと思って前向きにやってます。
下がってるときこそですよね。

No title

私の場合、積立投資で投資元本額が大きくなっても、
知らず知らずの間にリスク耐性というか、
免疫みたいなものがついてきました。

というか、年増になって感性が鈍くなってるのかな?^^;

Re: No title

> amさん

こんばんは!

> 年始からの暴落で、資産がだいぶ吹っ飛んでしまいましたが、
> そのときに考えたのは家族のことでした。
> 「家族がいるんで破産は避けたいな・・・」ということで、損切りの決意ができましたが、なんだか髪の毛は多少白くなったような気がしないでもありません。
> お金は人生の主役ではないですが、なくなってみると大変切ないものではあります。今年もがんばります。

家族に影響が及んでしまうようなリスクは取りたくないですよね。
下落相場は実際の自身のリスク許容度を推し量る練習台のようなものだと思います。
お互いまったり頑張りましょう~

コメントありがとうございます!

Re: 悪いクセがつく

> スイス鉄道のようにさん

こんばんは!

> そして、肉体だけじゃなく、思考にもクセというものがあります。
> 悪いことを考え続けると、悪いクセがついてしまう...
> なので、悪いことが起こったときは、素直に、悪い感情が生じることを止めないほうがいいと思います。

悪いことが起きたら悲しいですよね。

> というわけで、起こった事実をま正面から受けとめ、苦しみ、それを機会に経済の勉強をするようにしたほうがいいと思います。

今回の下げは特に苦しむほどのものではなく、このエントリーは苦しみを誤魔化すためのものでもないので、悩み苦しむのは別の機会に取っておこうと思います。必要のないことでわざわざ苦しむ必要はないと思いますよ。
経済のお勉強は苦しみとは別のところでぼちぼち行っていきたいと思います!

コメントありがとうございます!

Re: No title

> 茂庭さん

こんばんは!

> そう言えばこんな相場の中ですが資産が2000万円に乗っかりました。

おお~!おめでとうございます!!
きりのいい数字になるとちょっと嬉しいですよね。

> 去年の暮れにパソコン上の操作1つで売却可能なリスク資産は85%減らしてて今結構無傷だからです。と言っても一部の外貨建て資産が欝になるくらいマイナスですが(笑)
> 自分の中で妙な達成感が出てしまったので溜め込んだ2000万円のうち
> 1900万円は「しまっちゃうおじさん」にしまわれたという設定にしておいてまたぼちぼち貯めます(笑)

たくさんのお金をしまっちゃうおじさんにしまわれてしまったのですね。。。

> 「しまっちゃうおじさん」はなんでもしまっちゃうおじさんです。知ってる?

こちらを見ていただければ私の認識しているしまっちゃうおじさんと整合できます。
http://ittin.blog.fc2.com/blog-entry-423.html
しまっちゃうよ~しまっちゃうよ~(しまっちゃうコーラス)

コメントありがとうございます!

Re: No title

> やま!!さん

こんばんは!

> 私もインデックスファンド積立してるのですが
> この年末年始から10%弱減ってますね。
> でも下がってるので同額で口数多く買えるので
> 逆にチャンスと思って前向きにやってます。
> 下がってるときこそですよね。

下がってこそのインデックス投資なので、今こそチャンスですよね!
お互いコツコツ続けていきましょう~

コメントありがとうございます!

Re: No title

> 眠る投資家さん

こんばんは!

> 私の場合、積立投資で投資元本額が大きくなっても、
> 知らず知らずの間にリスク耐性というか、
> 免疫みたいなものがついてきました。

おお、それはうらやましい…。
私はまだ経験が浅いので、心のどこかで「なってみないとわからない」と油断しないようにしています。

> というか、年増になって感性が鈍くなってるのかな?^^;

慣れもあるような気がしますが、その投資が腑に落ちていると、含み損があっても淡々と続けられるような気がしますね。
眠る投資家さんはうまくご自身で消化されているのだと思います。

コメントありがとうございます!

No title

いつも楽しみに読んでます。投資の話、どんな解説書よりわかりやすくてたとえ話が的確でいつも笑いながら読んでます。私も去年から積立投信をやっててここんとこの相場でマイナスです。下がるときほどチャンスってことがなかなかみなさん理解できないみたいで、ほらやっぱ下がるんじゃんっていう意見が大半ですね~

No title

こんばんは。
今回も素晴らしい記事ですね。

僕も今回の下落相場ではのほほんと過ごせた側の人間です。リスク資産は多め(全資産の7割くらい)ですが、何年も前から下落時にどういった行動をとるか事前に考えて心の準備をしてきたことが大きかったのかなと思います。
なので、のんびりしすぎているせいか、最近、投資家の中で下落が続いて悲観的になる人や逆に買うチャンスだと燃えている方々の話を聞くと、自分との温度差を感じて少し戸惑ってしまいます。

生死について考えるっていうのには驚きました。
達観されてますね(笑)さすがです。



Re: No title

> みみりんさん

おはようございます!

> いつも楽しみに読んでます。投資の話、どんな解説書よりわかりやすくてたとえ話が的確でいつも笑いながら読んでます。

ブログをご覧いただきありがとうございます!
なんともったいないお言葉…!

> 私も去年から積立投信をやっててここんとこの相場でマイナスです。下がるときほどチャンスってことがなかなかみなさん理解できないみたいで、ほらやっぱ下がるんじゃんっていう意見が大半ですね~

始めて数か月でちょっとした下げ相場を経験できるのは、ラッキーでもありちょうど良いと思います。
期待リターンがゼロ(マイナス)の資産に投資していたり、レバレッジをかけて投資をしている人はまた見える光景が違うでしょうが、期待リターンがプラスの資産にお金を移してホールドする、と決めて投資する以上は下げてもまったりのんびりでいいと思うんですよね。
お互いのほほんと構えていきましょう~

コメントありがとうございます!

Re: No title

> ピーマンさん

おはようございます!

> 今回も素晴らしい記事ですね。

もったいなきお言葉!ありがとうございます~

> 僕も今回の下落相場ではのほほんと過ごせた側の人間です。リスク資産は多め(全資産の7割くらい)ですが、何年も前から下落時にどういった行動をとるか事前に考えて心の準備をしてきたことが大きかったのかなと思います。
> なので、のんびりしすぎているせいか、最近、投資家の中で下落が続いて悲観的になる人や逆に買うチャンスだと燃えている方々の話を聞くと、自分との温度差を感じて少し戸惑ってしまいます。

私も「何もしない」派なのでよくわかります。自動積立をしていれば結局タイミングを読まなくても下で拾えますし、買い増したところでまだ下がるかもしれないと思うと、特に何もすることなく生活することになります(笑)

> 生死について考えるっていうのには驚きました。
> 達観されてますね(笑)さすがです。

投資のことで頭を悩ませる時に、こういうことを考えると投資が些末なことに思えてくるんですよね。
投資は人生を振り回すものではなく人生を豊かにするツールとして、有効に活用しましょうぞ~。

コメントありがとうございます!

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プロフィール

ITTIN

Author:ITTIN
会社員地味子。2016年12月にひっそりと結婚。
独身時資産は2500万くらいあるよ。
資産公開・内訳
<推移>( )内は前年比
2009年23歳 238万(+202万)
2010年24歳 498万(+260万)
2011年25歳 720万(+222万)
2012年26歳1032万(+312万)
2013年27歳1369万(+337万)
2014年28歳1738万(+369万)
2015年10月2000万円達成

2016年2月、本を出したよ。
素敵なレビューを書いていただき感謝!
書評一覧

29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた




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