確定拠出年金にかかる税金
確定拠出年金。
いろいろな人が「確定拠出年金の運用益は非課税」の恩恵を取り上げ、その情報がいろいろな人に広まり、また個人型の対象者も拡大して選択肢も広がり…と随分と賑わってきたように思います。
というわけで人と同じことを言ってもしゃーないという天邪鬼的な思考で、逆に「確定拠出年金にかかる税金」について取り上げてみたいと思います。
意外とNISAと混同して勘違いしてる人いるんじゃないか~い?
いろいろな人が「確定拠出年金の運用益は非課税」の恩恵を取り上げ、その情報がいろいろな人に広まり、また個人型の対象者も拡大して選択肢も広がり…と随分と賑わってきたように思います。
というわけで人と同じことを言ってもしゃーないという天邪鬼的な思考で、逆に「確定拠出年金にかかる税金」について取り上げてみたいと思います。
意外とNISAと混同して勘違いしてる人いるんじゃないか~い?
【確定拠出年金についてざっくりおさらい】
まずそれが何なんだ、というと「自分の年金を自分で運用しちゃおうネ☆」というコンセプトの年金制度です。
企業型と個人型があり、私は企業型に加入しています。
企業型は会社が毎月掛け金を拠出してくれます。
個人型は自身が設定した掛け金を毎月支払います。
じゃ~全部これで運用すればいいじゃん?と言っても、掛け金に上限があり、しかも一定の条件を満たさない限りは受給年齢まで解約・取り崩しできません。
デメリットも結構あるようですがエントリーと直接関係ないのでここでは割愛。
【確定拠出年金の最大のメリット「運用益は非課税」】
通常、資産運用して利益が出ると利益に対して課税されるのですが、確定拠出年金は非課税です。
というわけで「ええナンダッテー!じゃあ利益が出たら取られるはずの税金分を再投資できて効率的じゃん?」と賑わいを見せているのがこの制度なのです。
運用益が非課税であることによって、運用効率が上がるということです。
また、確定拠出年金の掛け金分は自分の所得から差し引けるため、課税される所得が減り、所得税や住民税を減らすことができます。
(こっちの方が最大のメリットかもしれません)
ここまでが前提。
ここからが本題です。
【「運用益」は非課税だが、「受け取った年金」は非課税ではない】
確定拠出年金は基本的には受給開始年齢でようやく受け取ることになります。
確定拠出年金を受け取る時、受け取り方を選べます。
①一時金として受け取る(一括で受け取る)
②年金方式で何年かに分けて受け取る
③一部を一時金として受け取り、残りを年金方式で受け取る
お金を受け取った時、これらには税金がかかります。
また、①の一時金と②の年金方式では、実はそれぞれ税法上の分類が違います。
<①の一時金として受け取る場合>
退職金や保険会社から支払われる退職一時金は「退職所得」としてみなされます。
確定拠出年金の一時金もこれに分類されます。
退職所得の金額は、次のように計算します。
(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
これがつまり何かと言うと、「収入から退職所得控除を差し引いた年金の半分に課税される」ということです。
では、これは「非課税にならないのか」というと、そうとも限りません。
退職所得控除が収入金額を上回っていれば、実質非課税になりますね。
【退職所得控除はいくらになるのか】
退職所得控除が大きいほど支払う税金が少ないので有利です。
通常「何年働いたか」という勤続年数で適用される式が変わってくるのですが、確定拠出年金の場合は退職金ではないので”拠出した期間”で計算します。
計算式はこちら。
20年以下:40万円×拠出年数(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超:800万円+70万円×(拠出年数-20年)
20年以上拠出した人に対してはかなり優遇されています。
お気づきでしょうか。
退職金控除額の計算には「年齢」と「拠出年数」が重要であって、拠出額は無関係です。
例を挙げると、15年運用した人には40万×15年=600万の退職金控除。
30年運用した人には800万+70万×(30年-20年)=1500万の退職金控除が適用されます。
30年運用した人で一時金が1500万以下だった場合、非課税になります。
1500万円以上受け取った人は、1500万を差し引いて1/2を掛けた額に課税されます。
これが運用開始したのが遅く、わずかな運用期間で高額な掛け金だった場合は課税される可能性もあります。
また、同年に2か所以上から退職金をもらった時の計算式は別にありますので、国税庁のHPをご覧ください。
てなわけで運用効率上は掛け金が大きいとメリットかもしれませんが、税法上は必ずしも「運用額が大きければ大きいほど”非課税”のメリットを受けられて良い!」というわけではありません。
ついでに計算式を見ると、運用結果が評価損になっていた場合も収入が退職所得控除額を上回っていた場合は課税されることがわかりますね。
<②の年金方式で何年かに分けて受け取る場合>
こやつの分類は忌むべき「雑所得」です。
ただ、「公的年金等に係る雑所得」の金額は、通常の雑所得より、税制上優遇されています。
普通の雑所得のようにそのまま忌まわしき20.315%が引かれるわけではありません。
公的年金などの他の収入を含めた収入金額から公的年金控除等を差し引いて、所得金額を計算します。
この所得金額に課税されます。
年齢と収入合計で適用される計算式が異なりますが、65歳未満では最低70万円、65歳以上では最低120万円以下の年金収入であれば、雑所得の金額はゼロになり、この場合実質非課税になります。
それ以上の金額を得た場合は所得額の区分に応じて所得金額が計算され、課税されます。
もちろんコッチも同様に、運用結果が評価損になっていた場合も65歳未満で70万以上、65歳以上で120万以上収入を得ていた場合は課税されますね。
【開始時から出口戦略を探っておくのは重要】
なんで20代のうちからこんなこと調べなあかんのかというと、私の場合は
・公的年金
・確定拠出年金
・保険の満期金・終身年金
・積立投資(リスク資産)の取り崩し
等を現時点の老後収入として考えているため、これらの受取時期の重複、受け取り方法、為替動向によっては
無知なことによって無駄に税金を払うことになりかねないからです。
いざ受け取る時になって「こうしておけば良かったあァ!」となる事態は可能な限り避けたい。
たった1万円の所得差で区分が変わり、大幅に支払う税金が変わる可能性もあるのです。
①②を組み合わせた③の選択肢を選ぶことによって、節税できる可能性もあります。
もう既に20代の今の時点で「こうしとかなきゃ…」「もっと早くに気づいていれば…」という事案はいくつか出てきていますが。
私的年金についても「こういう方法で受け取った時の税金ってどうなるのかな~」と運用面のみならず税金面での疑問も盛りだくさん出てきています。
節税もそうですが、調べておくことで払わなくてはならない税金についても予習でき心構えができるかもしれません。
少なくとも、一体どの収入が税法上何の所得に分類されるのかは知っておくべき。
純金の換金だって、ペーパー資産と現物じゃ所得の分類が違うのですよ。
まだまだ私には知識が足りませんので学習しながらゆっくり練っていきたいと思います。
税金は意外と侮れない

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まずそれが何なんだ、というと「自分の年金を自分で運用しちゃおうネ☆」というコンセプトの年金制度です。
企業型と個人型があり、私は企業型に加入しています。
企業型は会社が毎月掛け金を拠出してくれます。
個人型は自身が設定した掛け金を毎月支払います。
じゃ~全部これで運用すればいいじゃん?と言っても、掛け金に上限があり、しかも一定の条件を満たさない限りは受給年齢まで解約・取り崩しできません。
デメリットも結構あるようですがエントリーと直接関係ないのでここでは割愛。
【確定拠出年金の最大のメリット「運用益は非課税」】
通常、資産運用して利益が出ると利益に対して課税されるのですが、確定拠出年金は非課税です。
というわけで「ええナンダッテー!じゃあ利益が出たら取られるはずの税金分を再投資できて効率的じゃん?」と賑わいを見せているのがこの制度なのです。
運用益が非課税であることによって、運用効率が上がるということです。
また、確定拠出年金の掛け金分は自分の所得から差し引けるため、課税される所得が減り、所得税や住民税を減らすことができます。
(こっちの方が最大のメリットかもしれません)
ここまでが前提。
ここからが本題です。
【「運用益」は非課税だが、「受け取った年金」は非課税ではない】
確定拠出年金は基本的には受給開始年齢でようやく受け取ることになります。
確定拠出年金を受け取る時、受け取り方を選べます。
①一時金として受け取る(一括で受け取る)
②年金方式で何年かに分けて受け取る
③一部を一時金として受け取り、残りを年金方式で受け取る
お金を受け取った時、これらには税金がかかります。
また、①の一時金と②の年金方式では、実はそれぞれ税法上の分類が違います。
<①の一時金として受け取る場合>
退職金や保険会社から支払われる退職一時金は「退職所得」としてみなされます。
確定拠出年金の一時金もこれに分類されます。
退職所得の金額は、次のように計算します。
(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
これがつまり何かと言うと、「収入から退職所得控除を差し引いた年金の半分に課税される」ということです。
では、これは「非課税にならないのか」というと、そうとも限りません。
退職所得控除が収入金額を上回っていれば、実質非課税になりますね。
【退職所得控除はいくらになるのか】
退職所得控除が大きいほど支払う税金が少ないので有利です。
通常「何年働いたか」という勤続年数で適用される式が変わってくるのですが、確定拠出年金の場合は退職金ではないので”拠出した期間”で計算します。
計算式はこちら。
20年以下:40万円×拠出年数(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超:800万円+70万円×(拠出年数-20年)
20年以上拠出した人に対してはかなり優遇されています。
お気づきでしょうか。
退職金控除額の計算には「年齢」と「拠出年数」が重要であって、拠出額は無関係です。
例を挙げると、15年運用した人には40万×15年=600万の退職金控除。
30年運用した人には800万+70万×(30年-20年)=1500万の退職金控除が適用されます。
30年運用した人で一時金が1500万以下だった場合、非課税になります。
1500万円以上受け取った人は、1500万を差し引いて1/2を掛けた額に課税されます。
これが運用開始したのが遅く、わずかな運用期間で高額な掛け金だった場合は課税される可能性もあります。
また、同年に2か所以上から退職金をもらった時の計算式は別にありますので、国税庁のHPをご覧ください。
てなわけで運用効率上は掛け金が大きいとメリットかもしれませんが、税法上は必ずしも「運用額が大きければ大きいほど”非課税”のメリットを受けられて良い!」というわけではありません。
ついでに計算式を見ると、運用結果が評価損になっていた場合も収入が退職所得控除額を上回っていた場合は課税されることがわかりますね。
<②の年金方式で何年かに分けて受け取る場合>
こやつの分類は忌むべき「雑所得」です。
ただ、「公的年金等に係る雑所得」の金額は、通常の雑所得より、税制上優遇されています。
普通の雑所得のようにそのまま忌まわしき20.315%が引かれるわけではありません。
公的年金などの他の収入を含めた収入金額から公的年金控除等を差し引いて、所得金額を計算します。
この所得金額に課税されます。
年齢と収入合計で適用される計算式が異なりますが、65歳未満では最低70万円、65歳以上では最低120万円以下の年金収入であれば、雑所得の金額はゼロになり、この場合実質非課税になります。
それ以上の金額を得た場合は所得額の区分に応じて所得金額が計算され、課税されます。
もちろんコッチも同様に、運用結果が評価損になっていた場合も65歳未満で70万以上、65歳以上で120万以上収入を得ていた場合は課税されますね。
【開始時から出口戦略を探っておくのは重要】
なんで20代のうちからこんなこと調べなあかんのかというと、私の場合は
・公的年金
・確定拠出年金
・保険の満期金・終身年金
・積立投資(リスク資産)の取り崩し
等を現時点の老後収入として考えているため、これらの受取時期の重複、受け取り方法、為替動向によっては
無知なことによって無駄に税金を払うことになりかねないからです。
いざ受け取る時になって「こうしておけば良かったあァ!」となる事態は可能な限り避けたい。
たった1万円の所得差で区分が変わり、大幅に支払う税金が変わる可能性もあるのです。
①②を組み合わせた③の選択肢を選ぶことによって、節税できる可能性もあります。
もう既に20代の今の時点で「こうしとかなきゃ…」「もっと早くに気づいていれば…」という事案はいくつか出てきていますが。
私的年金についても「こういう方法で受け取った時の税金ってどうなるのかな~」と運用面のみならず税金面での疑問も盛りだくさん出てきています。
節税もそうですが、調べておくことで払わなくてはならない税金についても予習でき心構えができるかもしれません。
少なくとも、一体どの収入が税法上何の所得に分類されるのかは知っておくべき。
純金の換金だって、ペーパー資産と現物じゃ所得の分類が違うのですよ。
まだまだ私には知識が足りませんので学習しながらゆっくり練っていきたいと思います。
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