「女性のための投資信託」とやらをチェックしてみる2
女性のための投資信託」とやらをチェックしてみる の続きです。
さて、サクサク行きます。
次の2つ。
さて、サクサク行きます。
次の2つ。
◆ピクテ-ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3ヵ月決算型)
◆ING-プレステージ&ラグジュアリー・ファンド(愛称:世界のこだわり)
おすすめの理由:
憧れのブランド企業のオーナーになろう!
ヴィトンやエルメス、カルティエが1万円ちょっとで買える! バッグや時計ではないですが・・・。みんなの大好きなブランド企業に投資して株主になりませんか?
…とのことです。
おや。
この文章、「紹介されている投資信託を買うと、株主になってバッグや時計以外のブランド物が1万円ちょっとで買えるようになるのかな?」と誤解してしまいそうな文章だなと思いましたが、私の国語の読解力が足りないのでしょうか。
「どんな商品を買えばいいのかわからない投信女子のための商品」を想定しているページでこんなことを書かれたら、勘違いしてしまう人も出てしまうのではないですか。
念のため書いておくと
投資信託を買ってもブランド物は安く買えませんし、ファンドが投資している企業の個別株主になれるわけでもありませんのでご注意ください。
間接的には株主(笑)かもしれませんが、企業側からすれば投信の保有者なんぞ「血のつながりは微妙にあるらしいけど一度も会ったことない名前も住所も知らない親戚」と同じくらい薄い繋がりです。
配当や優待は投信の保有者には当然ながらありませんので誤解なきよう。
わざわざお金を出してまで応援したい企業があるのなら普通にその企業の株を買って正当な株主になりましょう。
この紹介文だけでネタファンドであることがわかりますのでそれを前提に見ていきます。
◆ピクテ-ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3ヵ月決算型)
投資対象:海外株式
純資産:32951百万円
トータルリターン:1年14.65% 3年23.85%
買付手数料:2.16%
信託報酬:1.62%
信託財産留保額:0.3%
分配金:年4回 直近270円
運用形態:ファミリーファンド形式
組入上位10銘柄は以下の通り。
バーバリー・グループ、ロレアル、ナイキ、メーシーズ、スウォッチ・グループ、ディアジオ、クリスチャン・ディオール、マイケル・コース・ホ-ルディングス、ダイムラー、エシロールインターナショナル
まさかの紹介文の「ヴィトンやエルメス、カルティエが1万円ちょっとで買える!」のいずれも入ってないという事態が発生。
まあ、組入れ銘柄にはちょこっとはいるんだろうけど、「バーバリー・ロレアル・ナイキが買える!」の方が実態を反映しているんじゃありませんか?
◆ING-プレステージ&ラグジュアリー・ファンド(愛称:世界のこだわり)
投資対象:海外株式
純資産:736百万円
トータルリターン:1年5.54% 3年20.47%
買付手数料:2.16%
信託報酬:1.62%
信託財産留保額:0.3%
分配金:年2回 直近300円
運用形態:ファミリーファンド形式
上位組入れ銘柄が
CIE FINANCIERE RICHEMON-RE リシュモン
KERING ケリング
CHRISTIAN DIOR クリスチャン・ディオール
LVMH MOET HENNESSY LOUI V SA モエ・ヘネシー・ルイヴィトン
DAIMLER AG-REGISTERED SHARES ダイムラーAG
日本語は私が振ったので違ってたらすんません。
投資比率は上位10位合わせて51.37%です。
こっちのファンドの上位にはカルティエ(リシュモン)とヴィトンがいます。
さすが組入れ銘柄が少ないだけあって年間収益率を見ると年ごとに上下を繰り返し、まるでジェットコースターのようです。
スリリングなファンドですね。
ちなみにこのファンドを1年間漫然と持ち続けていた場合、市場平均26%のリターンが叩き出せた相場で5.5%しか利益が出なかったことになります。
まあお高い手数料と分配金がリターンの妨げになっているのと、採用銘柄が少なくリスクを取っているため単純に運用パフォーマンスが低かったのかもしれません。
【感想】
手数料ゴホンゴホン
「女はブランドに弱いからとりあえず有名ブランド名書いとけば買うだろ」という紹介文から滲み出るやっつけ感がたまりませんね。
もしかしたら文章を書いたのは、ブランドと聞いたら両ファンドの組み入れ比率が低いはずのエルメスしか思い浮かばなくて、かつ目論見書を確認するのもうっかり忘れてしまったダンディーなおじさまなのかもしれません。
そうなると20代女子から乖離した文章により「もしかして中身はおじさん?」とちょいちょい疑いの目を向けられている私は謎の親近感がわきますね!
パフォーマンスについてはまあ各自が「頑張ったね」と生暖かい目で見てあげれば良いのではないかと思います。
外国株式のインデックスファンドの1年トータルリターンが26.46%だなんて気にしなくていいのよ。
ラスト2つ。
◆国際-ワールド・リート・オープン(毎月決算型)
◆損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコース
おすすめの理由:
女性にも人気のファンドで毎月分配金をゲット!
世界のリート(不動産投資信託)に投資する毎月分配型ファンドが人気
まるで世界中の不動産の大家さんになって家賃収入を得ているような感覚で毎月分配金をゲット
オプション取引を活用して毎月200円(一万口当たり課税前)もの高額の分配金を継続しているファンドも!
何言ってんの?
ツッコミが追いつかないので上記の一言だけ残すことにして ご紹介は避けたいと思いますが、
「これから投資信託を始めてみようかな」と思った女性がいらっしゃいましたら一つ。
こういった文章を、
悪意に満ちた売り文句だと自分で判断できるようになるまでは投信なんて買わずに仕組みを勉強した方が良いと思います。
この文章は お手本です。
読んで”魅力的”だと感じた人は投信を買うべきではない、という指標になる売り文句だと思います。
逆にこの文章が「馬鹿の皆さん、買ってください」と脳内で変換されるようになり、どこがおかしいのか指摘できるようになったら投資信託を運用の選択肢の一つとして考えてもよいのかもしれません。
別にワリート(ワールド・リート・オープン)が悪いというわけではないですが、分配型投信に限らず全ての金融商品は「そんなことは承知だよと言える人が買うもの」であって、「そんなこと」がどんなことなのかわからない人=少なくともこの文句に釣られる人が手を出すものではないと私は考えます。
投資信託はブランド物が安く買えるようになる商品でもなく、
個別株主になれるものでもなく、
買っておけば永遠に分配金をもらい続けられる制度でもありません。
総じて今回のファンドは資産形成期にある「コツコツ投資女子」がコツコツ投資するファンドではないと判断しました。
(個人の判断です)
残念ですが、やはり
購入を避ける金融商品、
購入を避ける金融商品2のエントリーは残しておきます。
これが「投資女子が投資するべき厳選されたファンド」なら、女子になるのは難しい

にほんブログ村
◆ING-プレステージ&ラグジュアリー・ファンド(愛称:世界のこだわり)
おすすめの理由:
憧れのブランド企業のオーナーになろう!
ヴィトンやエルメス、カルティエが1万円ちょっとで買える! バッグや時計ではないですが・・・。みんなの大好きなブランド企業に投資して株主になりませんか?
…とのことです。
おや。
この文章、「紹介されている投資信託を買うと、株主になってバッグや時計以外のブランド物が1万円ちょっとで買えるようになるのかな?」と誤解してしまいそうな文章だなと思いましたが、私の国語の読解力が足りないのでしょうか。
「どんな商品を買えばいいのかわからない投信女子のための商品」を想定しているページでこんなことを書かれたら、勘違いしてしまう人も出てしまうのではないですか。
念のため書いておくと
投資信託を買ってもブランド物は安く買えませんし、ファンドが投資している企業の個別株主になれるわけでもありませんのでご注意ください。
間接的には株主(笑)かもしれませんが、企業側からすれば投信の保有者なんぞ「血のつながりは微妙にあるらしいけど一度も会ったことない名前も住所も知らない親戚」と同じくらい薄い繋がりです。
配当や優待は投信の保有者には当然ながらありませんので誤解なきよう。
わざわざお金を出してまで応援したい企業があるのなら普通にその企業の株を買って正当な株主になりましょう。
この紹介文だけでネタファンドであることがわかりますのでそれを前提に見ていきます。
◆ピクテ-ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3ヵ月決算型)
投資対象:海外株式
純資産:32951百万円
トータルリターン:1年14.65% 3年23.85%
買付手数料:2.16%
信託報酬:1.62%
信託財産留保額:0.3%
分配金:年4回 直近270円
運用形態:ファミリーファンド形式
組入上位10銘柄は以下の通り。
バーバリー・グループ、ロレアル、ナイキ、メーシーズ、スウォッチ・グループ、ディアジオ、クリスチャン・ディオール、マイケル・コース・ホ-ルディングス、ダイムラー、エシロールインターナショナル
まさかの紹介文の「ヴィトンやエルメス、カルティエが1万円ちょっとで買える!」のいずれも入ってないという事態が発生。
まあ、組入れ銘柄にはちょこっとはいるんだろうけど、「バーバリー・ロレアル・ナイキが買える!」の方が実態を反映しているんじゃありませんか?
◆ING-プレステージ&ラグジュアリー・ファンド(愛称:世界のこだわり)
投資対象:海外株式
純資産:736百万円
トータルリターン:1年5.54% 3年20.47%
買付手数料:2.16%
信託報酬:1.62%
信託財産留保額:0.3%
分配金:年2回 直近300円
運用形態:ファミリーファンド形式
上位組入れ銘柄が
CIE FINANCIERE RICHEMON-RE リシュモン
KERING ケリング
CHRISTIAN DIOR クリスチャン・ディオール
LVMH MOET HENNESSY LOUI V SA モエ・ヘネシー・ルイヴィトン
DAIMLER AG-REGISTERED SHARES ダイムラーAG
日本語は私が振ったので違ってたらすんません。
投資比率は上位10位合わせて51.37%です。
こっちのファンドの上位にはカルティエ(リシュモン)とヴィトンがいます。
さすが組入れ銘柄が少ないだけあって年間収益率を見ると年ごとに上下を繰り返し、まるでジェットコースターのようです。
スリリングなファンドですね。
ちなみにこのファンドを1年間漫然と持ち続けていた場合、市場平均26%のリターンが叩き出せた相場で5.5%しか利益が出なかったことになります。
まあお高い手数料と分配金がリターンの妨げになっているのと、採用銘柄が少なくリスクを取っているため単純に運用パフォーマンスが低かったのかもしれません。
【感想】
手数料ゴホンゴホン
「女はブランドに弱いからとりあえず有名ブランド名書いとけば買うだろ」という紹介文から滲み出るやっつけ感がたまりませんね。
もしかしたら文章を書いたのは、ブランドと聞いたら両ファンドの組み入れ比率が低いはずのエルメスしか思い浮かばなくて、かつ目論見書を確認するのもうっかり忘れてしまったダンディーなおじさまなのかもしれません。
そうなると20代女子から乖離した文章により「もしかして中身はおじさん?」とちょいちょい疑いの目を向けられている私は謎の親近感がわきますね!
パフォーマンスについてはまあ各自が「頑張ったね」と生暖かい目で見てあげれば良いのではないかと思います。
外国株式のインデックスファンドの1年トータルリターンが26.46%だなんて気にしなくていいのよ。
ラスト2つ。
◆国際-ワールド・リート・オープン(毎月決算型)
◆損保J日本興亜-好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコース
おすすめの理由:
女性にも人気のファンドで毎月分配金をゲット!
世界のリート(不動産投資信託)に投資する毎月分配型ファンドが人気
まるで世界中の不動産の大家さんになって家賃収入を得ているような感覚で毎月分配金をゲット
オプション取引を活用して毎月200円(一万口当たり課税前)もの高額の分配金を継続しているファンドも!
何言ってんの?
ツッコミが追いつかないので上記の一言だけ残すことにして ご紹介は避けたいと思いますが、
「これから投資信託を始めてみようかな」と思った女性がいらっしゃいましたら一つ。
こういった文章を、
悪意に満ちた売り文句だと自分で判断できるようになるまでは投信なんて買わずに仕組みを勉強した方が良いと思います。
この文章は お手本です。
読んで”魅力的”だと感じた人は投信を買うべきではない、という指標になる売り文句だと思います。
逆にこの文章が「馬鹿の皆さん、買ってください」と脳内で変換されるようになり、どこがおかしいのか指摘できるようになったら投資信託を運用の選択肢の一つとして考えてもよいのかもしれません。
別にワリート(ワールド・リート・オープン)が悪いというわけではないですが、分配型投信に限らず全ての金融商品は「そんなことは承知だよと言える人が買うもの」であって、「そんなこと」がどんなことなのかわからない人=少なくともこの文句に釣られる人が手を出すものではないと私は考えます。
投資信託はブランド物が安く買えるようになる商品でもなく、
個別株主になれるものでもなく、
買っておけば永遠に分配金をもらい続けられる制度でもありません。
総じて今回のファンドは資産形成期にある「コツコツ投資女子」がコツコツ投資するファンドではないと判断しました。
(個人の判断です)
残念ですが、やはり
購入を避ける金融商品、
購入を避ける金融商品2のエントリーは残しておきます。
これが「投資女子が投資するべき厳選されたファンド」なら、女子になるのは難しい

にほんブログ村
