「女性のための投資信託」とやらをチェックしてみる
SBI証券HPの「女性のための等身大♪の投資ライフ」というページに
かわいらしい絵とともに
「コツコツ派のあなたは投信女子!実際どんな銘柄を買えばいいの?そんな投資信託も世の中にはたくさん種類があって選ぶのに迷っちゃいますね。
でも大丈夫!SBI女子部が女性目線で選んだ投信をチェックしてみましょう! 」という文言がありました。
わかりました。
女性のための投信とのことですので、女性の私がチェックしてみます。
(よく見たら2014年6月で更新が止まってるページのようですが、コツコツ投資女子にオススメのファンドが1年で廃れるわけないですよね。ですよね?)
なお過去に書いたこのエントリー
購入を避ける金融商品
購入を避ける金融商品2
では、「証券会社オススメ!の商品」「〇〇向け商品」は消費者として購入を避けるべき商品と私は考えております。
というわけでSBI女子部さんゴメンナサイ。先に謝っておきます。
関係者の方々等不快になる方がいらっしゃるかもしれませんのでご覧になる際はご注意ください。
かわいらしい絵とともに
「コツコツ派のあなたは投信女子!実際どんな銘柄を買えばいいの?そんな投資信託も世の中にはたくさん種類があって選ぶのに迷っちゃいますね。
でも大丈夫!SBI女子部が女性目線で選んだ投信をチェックしてみましょう! 」という文言がありました。
わかりました。
女性のための投信とのことですので、女性の私がチェックしてみます。
(よく見たら2014年6月で更新が止まってるページのようですが、コツコツ投資女子にオススメのファンドが1年で廃れるわけないですよね。ですよね?)
なお過去に書いたこのエントリー
購入を避ける金融商品
購入を避ける金融商品2
では、「証券会社オススメ!の商品」「〇〇向け商品」は消費者として購入を避けるべき商品と私は考えております。
というわけでSBI女子部さんゴメンナサイ。先に謝っておきます。
関係者の方々等不快になる方がいらっしゃるかもしれませんのでご覧になる際はご注意ください。
投信は7つ紹介されていましたが、まず3つ。
◆BNYメロン-女性活力日本株ファンド
◆インベスコ-インベスコ日本株式フォーカス・アルファ・ファンド(愛称:プラスアングル)
◆三菱UFJ-三菱UFJ SRIファンド(愛称:ファミリー・フレンドリー)
おすすめの理由:
女性の活躍を応援する企業に投資をしよう!
女性の積極登用や育児支援など女性の就業支援に力を入れている共感できる会社に投資できる!
SRI(社会的責任投資)に力を入れている企業は実際の業績も良く、株価のパフォーマンスも良い。
政府も女性活用企業を支援しているので追い風!
と紹介されていました。
名前を見ただけではどんなファンドなのかさっぱりですが、一つずつ見ていきましょう。
全て国内株式のアクティブファンドです。
◆BNYメロン-女性活力日本株ファンド
投資対象:国内株式
純資産:1524百万円
トータルリターン:記載なし
買付手数料:3.24%
信託報酬:1.4418%
信託財産留保額:0%
分配金:年2回 直近0円
運用形態:ファミリーファンド形式
特色として
「わが国の株式を主要投資対象とし、日本の新たな成長戦略の中核と位置づけられる
「女性の活躍」をテーマに、中長期的に投資魅力が高いと判断される銘柄に実質的に投資します。」
とのことで「女性の活躍」をテーマにした一風変わったファンドのようです。
投資先の選考基準は「女性の活用を積極的に行う企業」「女性向け商品・サービスを展開する企業」「女性の活躍によって間接的に恩恵を受ける企業」とのこと。
「女性の活躍を推進する企業」って何なんだと思い組入れ銘柄を拝見すると、
IHI・三菱鉛筆・日立製作所・ツルハHD・ユニチャームが上位5位銘柄のようです。
設定日が2014年6月6日。まだ若いファンドです。
運用期間が平成36年7月までで総口数が10億口下回ると繰上償還の対象になり得るそうです。
コンセプトはそんなに悪くないのですが、運用期間の短さと手数料の高さを見ると「コツコツ投資女子」に長期運用させる気はさらさらないことがわかります。
銘柄選定はTOPIXから時価総額が高い50~100銘柄その他スクリーニングした銘柄を選び、女性に/女性が貢献する企業30~50銘柄まで絞るという方針のようです。
銘柄数が少なく運用実績も少ないため、私の目にはそれなりにリスクのあるファンドと映りました。
実際このファンドに起こったリスクとしては、このファンドは設定日直後の2014年6月時点で投資比率1位を占めていた銘柄がベネッセグループの銘柄だったようです。
あの事件が起きたのは2014年7月です。
◆インベスコ-インベスコ日本株式フォーカス・アルファ・ファンド愛称:プラスアングル
投資対象:国内株式
純資産:3687百万円
トータルリターン:1年16.55% 3年19.37%
買付手数料:3.24%
信託報酬:1.8684%
信託財産留保額:0%
分配金:年1回 直近0円
運用形態:ファミリーファンド形式
なぜこれが女性におすすめなんだ?と見ていたところ「ファンドの特色」第三項に
「投資に当たっては、人的活用による企業の付加価値向上に着目したウーマノミクス・スコア付与銘柄を中心に銘柄選定します」と書いてありましたのでこれが該当するようです。
ごめんウーマノミクスって何?
という私のような素人の疑問を想定してか親切に答えてくれており、
ウーマノミクスとは「ウーマン」と「エコノミクス」を合わせた造語だそうで、女性が消費者および作り手として主導する経済を表しているそうです。
「どやうまいこと言ったやろ」感の拭えない単語ですが、アベノミクスという言葉は定着したわけだし、…と思ったら1999年からあった単語のようでウーマノミクス先輩だったようです。
サトーホールディングス・オリンパス・サイバーエージェント・ファンケル・エイチアイエスが上位5位の組み入れ銘柄ですが、サトーホールディングスだけで6%、上位10銘柄だけで42%を投じています。
銘柄選定の指標として使われている「ウーマノミクス・スコア」の説明もあったのですが、経済に疎いあほな私の理解力では概念はわかっても「実戦でどのように用いる数値なのか」ちょっとわかりませんでした。
また償還期間は10年で設定されているため、これも長期で運用はできません。
よくわからないものには投資しない、を原則としている私にはちょっとこのファンドは敷居の高いファンドのようです。
◆三菱UFJ-三菱UFJ SRIファンド(愛称:ファミリー・フレンドリー)
投資対象:国内株式
純資産:1802百万円
トータルリターン:1年23.77% 3年22.93%
買付手数料:2.16%
信託報酬:1.62%
信託財産留保額:0%
分配金:年1回 直近700円
運用形態:ファミリーファンド形式
「「ファミリー・フレンドリー企業」として評価され、かつ株価が本来あるべき価格(理論株価)に対して割安と判断される銘柄に投資し、信託財産の長期的な成長を目標として運用を行います。」だそうです。
ごめんファミリー・フレンドリー企業って何?
と思ったら案の定解説してくれていました。
ファミリー・フレンドリー企業とは、「仕事と生活を両立でき、多様で柔軟な働き方を選択できる企業」のことだそうです。
これが女性におすすめの理由でしょうか。
グッドバンカー社という投資助言会社の投資助言に基づいて運用するようです。
ウーマノミクスと同じでうっかり知った気になって「家族にやさしい企業」と定義するところでした。
組入れ銘柄の上位5位は三菱UFJフィナンシャルグループ・トヨタ自動車・三井住友フィナンシャルグループ・東海旅客鉄道・KDDIです。
なんという身内贔屓。
ファンドの特色から推測されるのは、恐らくPERが低い(割安である)銘柄を優先的に選んで運用しているのだろうということです。ここらへんの戦略が功を奏しているのか市場平均に及ばないにしろウーマノミクス・スコアのファンドよりは高いリターンを出しています。
ただ分配金を700円出すアクティブファンドであることを考えると、やはりコツコツ投資女子には向きません。
【感想】
いずれも日本株のアクティブファンド、かつ組入銘柄も30~50程度と少なく銘柄の分散効果も期待できず、コストも高いのでコツコツ運用には全く向きません。
「初心者のコツコツ投資女子」がコツコツ積み立てるようなファンドではなく、ある程度相場を読んで売買する能力が求められるファンドだと私は思います。
「コツコツ派の投資女子」ではなくコツコツドカン女子にならなれるかも。
特に女性が買ったからと言って特別な恩恵を得られるというものでもなく、
期待通りと言いましょうか、案の定購入手数料がお高い(=買うと証券会社が儲かる)ファンドです。
インデックスファンド(市場平均)である日本株式インデックスeのトータルリターンは1年27.82%、3年で24.27%。
買付手数料なし、信託報酬0.4%/年。
高い手数料を取る上にパフォーマンスさえインデックスに負けています。
成績の指標として「シャープレシオ(取ったリスクに対してリターンをどれだけ出したかの指標)を見る」という意見もありますが、シャープレシオもインデックスに負けてます。
このエントリーはインデックスファンドを褒めるものではないのですが、はからずもコストが低廉なインデックスファンドの良さを見直す機会になりました。
3割程度のアクティブファンドがインデックスを上回る成績を出すようですが、上記ファンドは優秀な3割のアクティブファンドには該当しないようです。
「女性だから、女性を応援するファンドに投資しちゃお☆」ということでオススメされているようですが、
それでリターンが取れるかどうかというのは全く別の問題。
また、安易に「自分が属しているものに投資する」ということは、「共倒れのリスク」が発生します。
個人の感想ですが、投資初心者が堅実性の高い投資を望むのであれば「自分と全く異なる属性のものに投資する」方が良いのではないかと思います。
言葉を変えれば
日本人が国内資産だけに投資した場合、一部の実物資産を除き日本で起こる金融危機には対処できません。
サラリーマンが自社株だけを買い求めた場合、会社が倒産した時給与と資産を同時に失うことになります。
日本人が外国に投資する、サラリーマンが他業種の株を持つ、という”自分以外のところに資産を置いておく”だけでもリスク回避につながります。
「おじいちゃんを応援するファンドを紹介しろ」とまでは言いませんが、女性だから女性を応援するファンドに投資するというのも投資としての観点から言えば非合理的のように私は感じてしまいます。
SBI女子部さんひどいこと言ってゴメンネ。
長くなったので残りのファンドのチェックは次に続きます。

にほんブログ村
◆BNYメロン-女性活力日本株ファンド
◆インベスコ-インベスコ日本株式フォーカス・アルファ・ファンド(愛称:プラスアングル)
◆三菱UFJ-三菱UFJ SRIファンド(愛称:ファミリー・フレンドリー)
おすすめの理由:
女性の活躍を応援する企業に投資をしよう!
女性の積極登用や育児支援など女性の就業支援に力を入れている共感できる会社に投資できる!
SRI(社会的責任投資)に力を入れている企業は実際の業績も良く、株価のパフォーマンスも良い。
政府も女性活用企業を支援しているので追い風!
と紹介されていました。
名前を見ただけではどんなファンドなのかさっぱりですが、一つずつ見ていきましょう。
全て国内株式のアクティブファンドです。
◆BNYメロン-女性活力日本株ファンド
投資対象:国内株式
純資産:1524百万円
トータルリターン:記載なし
買付手数料:3.24%
信託報酬:1.4418%
信託財産留保額:0%
分配金:年2回 直近0円
運用形態:ファミリーファンド形式
特色として
「わが国の株式を主要投資対象とし、日本の新たな成長戦略の中核と位置づけられる
「女性の活躍」をテーマに、中長期的に投資魅力が高いと判断される銘柄に実質的に投資します。」
とのことで「女性の活躍」をテーマにした一風変わったファンドのようです。
投資先の選考基準は「女性の活用を積極的に行う企業」「女性向け商品・サービスを展開する企業」「女性の活躍によって間接的に恩恵を受ける企業」とのこと。
「女性の活躍を推進する企業」って何なんだと思い組入れ銘柄を拝見すると、
IHI・三菱鉛筆・日立製作所・ツルハHD・ユニチャームが上位5位銘柄のようです。
設定日が2014年6月6日。まだ若いファンドです。
運用期間が平成36年7月までで総口数が10億口下回ると繰上償還の対象になり得るそうです。
コンセプトはそんなに悪くないのですが、運用期間の短さと手数料の高さを見ると「コツコツ投資女子」に長期運用させる気はさらさらないことがわかります。
銘柄選定はTOPIXから時価総額が高い50~100銘柄その他スクリーニングした銘柄を選び、女性に/女性が貢献する企業30~50銘柄まで絞るという方針のようです。
銘柄数が少なく運用実績も少ないため、私の目にはそれなりにリスクのあるファンドと映りました。
実際このファンドに起こったリスクとしては、このファンドは設定日直後の2014年6月時点で投資比率1位を占めていた銘柄がベネッセグループの銘柄だったようです。
あの事件が起きたのは2014年7月です。
◆インベスコ-インベスコ日本株式フォーカス・アルファ・ファンド愛称:プラスアングル
投資対象:国内株式
純資産:3687百万円
トータルリターン:1年16.55% 3年19.37%
買付手数料:3.24%
信託報酬:1.8684%
信託財産留保額:0%
分配金:年1回 直近0円
運用形態:ファミリーファンド形式
なぜこれが女性におすすめなんだ?と見ていたところ「ファンドの特色」第三項に
「投資に当たっては、人的活用による企業の付加価値向上に着目したウーマノミクス・スコア付与銘柄を中心に銘柄選定します」と書いてありましたのでこれが該当するようです。
ごめんウーマノミクスって何?
という私のような素人の疑問を想定してか親切に答えてくれており、
ウーマノミクスとは「ウーマン」と「エコノミクス」を合わせた造語だそうで、女性が消費者および作り手として主導する経済を表しているそうです。
「どやうまいこと言ったやろ」感の拭えない単語ですが、アベノミクスという言葉は定着したわけだし、…と思ったら1999年からあった単語のようでウーマノミクス先輩だったようです。
サトーホールディングス・オリンパス・サイバーエージェント・ファンケル・エイチアイエスが上位5位の組み入れ銘柄ですが、サトーホールディングスだけで6%、上位10銘柄だけで42%を投じています。
銘柄選定の指標として使われている「ウーマノミクス・スコア」の説明もあったのですが、経済に疎いあほな私の理解力では概念はわかっても「実戦でどのように用いる数値なのか」ちょっとわかりませんでした。
また償還期間は10年で設定されているため、これも長期で運用はできません。
よくわからないものには投資しない、を原則としている私にはちょっとこのファンドは敷居の高いファンドのようです。
◆三菱UFJ-三菱UFJ SRIファンド(愛称:ファミリー・フレンドリー)
投資対象:国内株式
純資産:1802百万円
トータルリターン:1年23.77% 3年22.93%
買付手数料:2.16%
信託報酬:1.62%
信託財産留保額:0%
分配金:年1回 直近700円
運用形態:ファミリーファンド形式
「「ファミリー・フレンドリー企業」として評価され、かつ株価が本来あるべき価格(理論株価)に対して割安と判断される銘柄に投資し、信託財産の長期的な成長を目標として運用を行います。」だそうです。
ごめんファミリー・フレンドリー企業って何?
と思ったら案の定解説してくれていました。
ファミリー・フレンドリー企業とは、「仕事と生活を両立でき、多様で柔軟な働き方を選択できる企業」のことだそうです。
これが女性におすすめの理由でしょうか。
グッドバンカー社という投資助言会社の投資助言に基づいて運用するようです。
ウーマノミクスと同じでうっかり知った気になって「家族にやさしい企業」と定義するところでした。
組入れ銘柄の上位5位は三菱UFJフィナンシャルグループ・トヨタ自動車・三井住友フィナンシャルグループ・東海旅客鉄道・KDDIです。
なんという身内贔屓。
ファンドの特色から推測されるのは、恐らくPERが低い(割安である)銘柄を優先的に選んで運用しているのだろうということです。ここらへんの戦略が功を奏しているのか市場平均に及ばないにしろウーマノミクス・スコアのファンドよりは高いリターンを出しています。
ただ分配金を700円出すアクティブファンドであることを考えると、やはりコツコツ投資女子には向きません。
【感想】
いずれも日本株のアクティブファンド、かつ組入銘柄も30~50程度と少なく銘柄の分散効果も期待できず、コストも高いのでコツコツ運用には全く向きません。
「初心者のコツコツ投資女子」がコツコツ積み立てるようなファンドではなく、ある程度相場を読んで売買する能力が求められるファンドだと私は思います。
「コツコツ派の投資女子」ではなくコツコツドカン女子にならなれるかも。
特に女性が買ったからと言って特別な恩恵を得られるというものでもなく、
期待通りと言いましょうか、案の定購入手数料がお高い(=買うと証券会社が儲かる)ファンドです。
インデックスファンド(市場平均)である日本株式インデックスeのトータルリターンは1年27.82%、3年で24.27%。
買付手数料なし、信託報酬0.4%/年。
高い手数料を取る上にパフォーマンスさえインデックスに負けています。
成績の指標として「シャープレシオ(取ったリスクに対してリターンをどれだけ出したかの指標)を見る」という意見もありますが、シャープレシオもインデックスに負けてます。
このエントリーはインデックスファンドを褒めるものではないのですが、はからずもコストが低廉なインデックスファンドの良さを見直す機会になりました。
3割程度のアクティブファンドがインデックスを上回る成績を出すようですが、上記ファンドは優秀な3割のアクティブファンドには該当しないようです。
「女性だから、女性を応援するファンドに投資しちゃお☆」ということでオススメされているようですが、
それでリターンが取れるかどうかというのは全く別の問題。
また、安易に「自分が属しているものに投資する」ということは、「共倒れのリスク」が発生します。
個人の感想ですが、投資初心者が堅実性の高い投資を望むのであれば「自分と全く異なる属性のものに投資する」方が良いのではないかと思います。
言葉を変えれば
日本人が国内資産だけに投資した場合、一部の実物資産を除き日本で起こる金融危機には対処できません。
サラリーマンが自社株だけを買い求めた場合、会社が倒産した時給与と資産を同時に失うことになります。
日本人が外国に投資する、サラリーマンが他業種の株を持つ、という”自分以外のところに資産を置いておく”だけでもリスク回避につながります。
「おじいちゃんを応援するファンドを紹介しろ」とまでは言いませんが、女性だから女性を応援するファンドに投資するというのも投資としての観点から言えば非合理的のように私は感じてしまいます。
SBI女子部さんひどいこと言ってゴメンネ。
長くなったので残りのファンドのチェックは次に続きます。

にほんブログ村
