国の破綻ってあるの?~ソブリンリスクって何だ~
国のリスク、「ソブリンリスク」について考えてみます。
まず用語のイメージから。
国の「リスク」「危機」「破綻」を火事に例えると、
「国」⇒家
「リスク」⇒ライターなどの火種
「危機」⇒ボヤ騒ぎ
「破綻」⇒全焼
ということです。
この火事は隣家にも燃え移ります。
ギリシャさん家がボヤ騒ぎした時、スペインさんやイタリアちゃんのおうちにも飛び火しました。
まず用語のイメージから。
国の「リスク」「危機」「破綻」を火事に例えると、
「国」⇒家
「リスク」⇒ライターなどの火種
「危機」⇒ボヤ騒ぎ
「破綻」⇒全焼
ということです。
この火事は隣家にも燃え移ります。
ギリシャさん家がボヤ騒ぎした時、スペインさんやイタリアちゃんのおうちにも飛び火しました。
ソブリンリスクとは、国(国家)に対する信用リスクのこと。
国の信用リスクに関連するものは貧困や戦争、災害、環境問題、テロ、政治問題などさまざまありますが、
こういった問題が大きくなると、国の発行している債券が不履行(デフォルトと言います)になってしまいます。
国債の返済能力もソブリンリスクと言えます。
【どんな時に「デフォルト」と判断されるか】
民間企業であればデフォルトの条件は
①バンクラプシー:破綻すること
②支払不履行:支払いが期日に行われないこと
③リストラクチャリング:債務条件の変更や債務交換
となりますが、国の場合は①は実質的になく、②か③になります。
①がなぜないかと言うと、会社なら建物を引き払い人間が解散することで破綻しますが、国では解散や取り壊しができないからです。
「期日に利息を払えなかった」たったこれだけでデフォルトになります。
【国債がデフォルトするとどうなる】
「借りたもの返せないよゴメンネ☆」となってしまった国は信用を失い、国債は大暴落。
その国の通貨、日本の場合は「円」の価値が地に墜ちます。
円の価値がなくなると相対的に物価がとっても上がります。これをインフレと言うそうな。
初期の敵がスーパーサイヤ人レベルに戦闘力が上がるのと同じくらい物価が上昇することをハイパーインフレと言うよ。
企業もバタバタと倒れていきます。
【実際にデフォルトした国】
記憶に新しいギリシャ。
エクアドル、ジャマイカ、ロシア、アルゼンチンなど。
70年くらい前ですが、さりげなく日本は破綻しています。
通常、国の場合市場にパニックを起こさないように「秩序あるデフォルト」が求められるのですが、
いくつかの国はある日突然「払えなくなっちゃった、テヘ☆」ということをやらかしています。
これを無秩序なデフォルトと言われるそうな。
【1人あたりの借金が約800万円ある借金大国の日本がなぜ破綻しないか】
日本は「家庭内崩壊しているけど外では優秀なサラリーマン」です。
莫大な借金を抱えていますが、借金している相手は95%身内。
かつ、日本自身には海外への輸出等で外貨準備金を積み立てる「稼ぐ力」があります(世界2位)。
しかも借金も多いけど持っている資産も潤沢。対外純資産額は1位です。
また、まじめで滅多にデモやストライキなど行わない穏便な国民性も債務の返済能力の高さに繋がっているのだとさ。
【ソブリンリスクが高まるパターン】
借金する家には理由あり。
ムーディーズが分類した4パターンがこちら。
①金融危機
金融システム不安(国内銀行の破綻など)によってお金が回らなくなる。
エクアドルさん、ウルグアイさん、ドミニカさんのおうちで起こりました。
NHKで「預金封鎖」の報道をした時は一部ざわついたようですが、日本では銀行に信頼がありますよね。
信頼がありすぎて「国債(投資)より預金の方が安全」だと思っている日本人が多いのはおかしな話だと思いますが。
②経済停滞
構造上景況感が回復できない状況が続いて債務残高が増えてしまい、お金が回らなくなる。
恐ロシアさん、ウクライナさん、アルゼンチンさんのおうちで起こりました。
恐ロシアさんは急激な市場改革路線を導入したため一時的に激しいインフレを起こし、ルーブル建て国債の発行ができなくなってしまったとさ。
アルゼンチンさんは自国の通貨ペソを過大評価した結果、輸出が滞って観光収入も減ってしまい、経済停滞に突入。
てなこともあるようです。フーン。
③高負債
負債が多くなりすぎ、財政再建をしようとするも、構造改革が必要で再建に着手できない。
ベリーズさん、ジャマイカさん、セーシェルさんがやらかしています。
日本が破綻するとしたらこのケース。
世界有数の借金国である日本・ギリシャさん・イタリアちゃんはこれ。
④政治要因
政情不安がある国だと外国からの流入マネーが滞る。
パラグアイさん、カメルーンさん、エクアドルさん。
【日本国債はデフォルトしないと言われる根拠】
これを主張する詳しい人々の意見をまとめると、大まかに4つ。
①日本国債の保有者はほとんど(95%)日本人だから大丈夫
②日本は金利が低いから大丈夫
③外貨準備高や潤沢な資産があるから大丈夫
④いざとなったら日本円を刷ったり国民から搾り取れるから大丈夫
【日本国債がデフォルトしないと言われる根拠への懸念】
これまた詳しい人々の4つの理由に対する批判。
①日本国債の保有者はほとんど(95%)日本人だから大丈夫
⇒債権者が自国民に偏る国債は、外国の投資家から相手にされないか、もしくは手を出しにくいものだということ。
ギリシャ国債はギリシャ人が、イタリア国債はイタリア人が持っているという事実を考えてごらん。
そして、個人向け国債の保有者は80%以上が50代以上の年代の人。これからの若い世代が国債を積極的に買うだろうか?
②日本は金利が低いから大丈夫
⇒金利が低いということで多額の借金が可能になっているので一概に低金利が良いとは言えない。
名目GDP成長率+財政プレミアムを考えると、今後は金利は上がらざるを得ないだろう。
国債が暴落すると金利が上がる。そして長期金利が上がると、日本は破綻するだろう。
ヘッジファンドさん見逃シテー
③外貨準備高や潤沢な資産があるから大丈夫
⇒「潤沢な資産」というけどいざという時すぐに換金できるの?
換金性・流動性の高い資産でないと外国から評価されないよ。
④いざとなったら日本円を刷ったり国民から搾り取れるから大丈夫
⇒増税しかないよね。それでも人口は減り続けているから、若い世代ほど増税に苦しむことになるよね。
将来的に日本経済は破綻せずに生き残っても、その実態は増税&円安かもね。
【日本が破綻するという意見】
詳しい人のネガティブな意見。
「年間収入40兆円、年間支出90兆円、負債1000兆円(笑)
改善の見込みなし、借金の雪だるまは絶賛転がり中。この先破綻以外何があるの?
1兆ジンバブエドルでもパン一個買えなくなるくらい財政破綻&ハイパーインフレしたジンバブエの次に借金が多い。
日本より借金の少ないギリシャもやらかした。これからも「日本は特別」であり続けられるか?」
借金の多さに言及し 不安を煽られる内容であることが多いです。
【個人レベルでの対策(私の意見)】
外国資産を持つこと。
実物資産を持つこと。
(せっせと1億円貯めることではない)
失業リスクに備えること。
日本の「誰よりも多い借金を持ちながら国債の格付けが高く、国として運営が成り立っている構造」は世界から見ると特殊です。
いろいろ目にした意見を並べてみましたが、経済に関して素人の私には専門家のどのような意見を拝見しても
「結局大丈夫なのか危ないのか、これからの政策や経済の動向で変わってくるし、その時になってみないとわからない」という感想になります。
人によって言うこと違いますし。
やっておくことは
来るかどうかわからない破綻に不必要に怯えることではなく、
安心材料を探して「日本は大丈夫!だから何もしなくてもいいよね!」と過信することでもないと思います。
ことが起きてから用意しても遅いです。
少しだけソブリンリスクについて調べてみて、具体的に私がやっておこうかなと思ったことは、
外国資産を用意しておくこと。
また、日本国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)がワイド化したり、長期金利が急激に上昇した時は、崩壊の足音として警戒することです。
でも不動産投資は考えていません。
まあ取引が中止されたりして一時的に金や外貨が換金不可になる可能性もあるのですが…
人によっては農業や英語を覚えるなどの対策が挙がってくるのかもしれません。
コツコツ資産運用自体が外国資産の積立になるので、
今後の日本の行く末がどうなるとしても、私がやることは変わりません。
相場がどうであろうと、コツコツ積み立てていくだけ。
それが効果的な対策になるのかもはっきりとはわかりません。
ただ、こういったリスクを少しだけ考え、少しだけ頭に入れておくことで、
大事の時に生活の破綻を防げたり、
大幅な金利の変更があった時に「あれ、こんなに上がるなんておかしいな?どういうことだろう?」と思い、気づきになるかもしれません。
政治家でもなく経済アナリストでもない無知な一国民としては今後の国の破綻の是非などわかりませんが、
起こらないならそれでよし、万が一起こっても生活が破綻しない方法を考えて、準備しておくこと。
それが大事なのかなあと思いました。
長々と

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国の信用リスクに関連するものは貧困や戦争、災害、環境問題、テロ、政治問題などさまざまありますが、
こういった問題が大きくなると、国の発行している債券が不履行(デフォルトと言います)になってしまいます。
国債の返済能力もソブリンリスクと言えます。
【どんな時に「デフォルト」と判断されるか】
民間企業であればデフォルトの条件は
①バンクラプシー:破綻すること
②支払不履行:支払いが期日に行われないこと
③リストラクチャリング:債務条件の変更や債務交換
となりますが、国の場合は①は実質的になく、②か③になります。
①がなぜないかと言うと、会社なら建物を引き払い人間が解散することで破綻しますが、国では解散や取り壊しができないからです。
「期日に利息を払えなかった」たったこれだけでデフォルトになります。
【国債がデフォルトするとどうなる】
「借りたもの返せないよゴメンネ☆」となってしまった国は信用を失い、国債は大暴落。
その国の通貨、日本の場合は「円」の価値が地に墜ちます。
円の価値がなくなると相対的に物価がとっても上がります。これをインフレと言うそうな。
初期の敵がスーパーサイヤ人レベルに戦闘力が上がるのと同じくらい物価が上昇することをハイパーインフレと言うよ。
企業もバタバタと倒れていきます。
【実際にデフォルトした国】
記憶に新しいギリシャ。
エクアドル、ジャマイカ、ロシア、アルゼンチンなど。
70年くらい前ですが、さりげなく日本は破綻しています。
通常、国の場合市場にパニックを起こさないように「秩序あるデフォルト」が求められるのですが、
いくつかの国はある日突然「払えなくなっちゃった、テヘ☆」ということをやらかしています。
これを無秩序なデフォルトと言われるそうな。
【1人あたりの借金が約800万円ある借金大国の日本がなぜ破綻しないか】
日本は「家庭内崩壊しているけど外では優秀なサラリーマン」です。
莫大な借金を抱えていますが、借金している相手は95%身内。
かつ、日本自身には海外への輸出等で外貨準備金を積み立てる「稼ぐ力」があります(世界2位)。
しかも借金も多いけど持っている資産も潤沢。対外純資産額は1位です。
また、まじめで滅多にデモやストライキなど行わない穏便な国民性も債務の返済能力の高さに繋がっているのだとさ。
【ソブリンリスクが高まるパターン】
借金する家には理由あり。
ムーディーズが分類した4パターンがこちら。
①金融危機
金融システム不安(国内銀行の破綻など)によってお金が回らなくなる。
エクアドルさん、ウルグアイさん、ドミニカさんのおうちで起こりました。
NHKで「預金封鎖」の報道をした時は一部ざわついたようですが、日本では銀行に信頼がありますよね。
信頼がありすぎて「国債(投資)より預金の方が安全」だと思っている日本人が多いのはおかしな話だと思いますが。
②経済停滞
構造上景況感が回復できない状況が続いて債務残高が増えてしまい、お金が回らなくなる。
恐ロシアさん、ウクライナさん、アルゼンチンさんのおうちで起こりました。
恐ロシアさんは急激な市場改革路線を導入したため一時的に激しいインフレを起こし、ルーブル建て国債の発行ができなくなってしまったとさ。
アルゼンチンさんは自国の通貨ペソを過大評価した結果、輸出が滞って観光収入も減ってしまい、経済停滞に突入。
てなこともあるようです。フーン。
③高負債
負債が多くなりすぎ、財政再建をしようとするも、構造改革が必要で再建に着手できない。
ベリーズさん、ジャマイカさん、セーシェルさんがやらかしています。
日本が破綻するとしたらこのケース。
世界有数の借金国である日本・ギリシャさん・イタリアちゃんはこれ。
④政治要因
政情不安がある国だと外国からの流入マネーが滞る。
パラグアイさん、カメルーンさん、エクアドルさん。
【日本国債はデフォルトしないと言われる根拠】
これを主張する詳しい人々の意見をまとめると、大まかに4つ。
①日本国債の保有者はほとんど(95%)日本人だから大丈夫
②日本は金利が低いから大丈夫
③外貨準備高や潤沢な資産があるから大丈夫
④いざとなったら日本円を刷ったり国民から搾り取れるから大丈夫
【日本国債がデフォルトしないと言われる根拠への懸念】
これまた詳しい人々の4つの理由に対する批判。
①日本国債の保有者はほとんど(95%)日本人だから大丈夫
⇒債権者が自国民に偏る国債は、外国の投資家から相手にされないか、もしくは手を出しにくいものだということ。
ギリシャ国債はギリシャ人が、イタリア国債はイタリア人が持っているという事実を考えてごらん。
そして、個人向け国債の保有者は80%以上が50代以上の年代の人。これからの若い世代が国債を積極的に買うだろうか?
②日本は金利が低いから大丈夫
⇒金利が低いということで多額の借金が可能になっているので一概に低金利が良いとは言えない。
名目GDP成長率+財政プレミアムを考えると、今後は金利は上がらざるを得ないだろう。
国債が暴落すると金利が上がる。そして長期金利が上がると、日本は破綻するだろう。
ヘッジファンドさん見逃シテー
③外貨準備高や潤沢な資産があるから大丈夫
⇒「潤沢な資産」というけどいざという時すぐに換金できるの?
換金性・流動性の高い資産でないと外国から評価されないよ。
④いざとなったら日本円を刷ったり国民から搾り取れるから大丈夫
⇒増税しかないよね。それでも人口は減り続けているから、若い世代ほど増税に苦しむことになるよね。
将来的に日本経済は破綻せずに生き残っても、その実態は増税&円安かもね。
【日本が破綻するという意見】
詳しい人のネガティブな意見。
「年間収入40兆円、年間支出90兆円、負債1000兆円(笑)
改善の見込みなし、借金の雪だるまは絶賛転がり中。この先破綻以外何があるの?
1兆ジンバブエドルでもパン一個買えなくなるくらい財政破綻&ハイパーインフレしたジンバブエの次に借金が多い。
日本より借金の少ないギリシャもやらかした。これからも「日本は特別」であり続けられるか?」
借金の多さに言及し 不安を煽られる内容であることが多いです。
【個人レベルでの対策(私の意見)】
外国資産を持つこと。
実物資産を持つこと。
(せっせと1億円貯めることではない)
失業リスクに備えること。
日本の「誰よりも多い借金を持ちながら国債の格付けが高く、国として運営が成り立っている構造」は世界から見ると特殊です。
いろいろ目にした意見を並べてみましたが、経済に関して素人の私には専門家のどのような意見を拝見しても
「結局大丈夫なのか危ないのか、これからの政策や経済の動向で変わってくるし、その時になってみないとわからない」という感想になります。
人によって言うこと違いますし。
やっておくことは
来るかどうかわからない破綻に不必要に怯えることではなく、
安心材料を探して「日本は大丈夫!だから何もしなくてもいいよね!」と過信することでもないと思います。
ことが起きてから用意しても遅いです。
少しだけソブリンリスクについて調べてみて、具体的に私がやっておこうかなと思ったことは、
外国資産を用意しておくこと。
また、日本国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)がワイド化したり、長期金利が急激に上昇した時は、崩壊の足音として警戒することです。
でも不動産投資は考えていません。
まあ取引が中止されたりして一時的に金や外貨が換金不可になる可能性もあるのですが…
人によっては農業や英語を覚えるなどの対策が挙がってくるのかもしれません。
コツコツ資産運用自体が外国資産の積立になるので、
今後の日本の行く末がどうなるとしても、私がやることは変わりません。
相場がどうであろうと、コツコツ積み立てていくだけ。
それが効果的な対策になるのかもはっきりとはわかりません。
ただ、こういったリスクを少しだけ考え、少しだけ頭に入れておくことで、
大事の時に生活の破綻を防げたり、
大幅な金利の変更があった時に「あれ、こんなに上がるなんておかしいな?どういうことだろう?」と思い、気づきになるかもしれません。
政治家でもなく経済アナリストでもない無知な一国民としては今後の国の破綻の是非などわかりませんが、
起こらないならそれでよし、万が一起こっても生活が破綻しない方法を考えて、準備しておくこと。
それが大事なのかなあと思いました。
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