2月20日に発売された著書、「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」。
たくさんの書評や感想をいただき、嬉しさのあまり飛び跳ねております。
ありがとうございます!
多くの心温まる書評を拝見しつつ、この場を借りて改めて著書をご紹介させていただきたいと思います。
◆まず、ITTIN(著者)って誰だ書評や広告を見て当ブログにお越しの方の9割以上は、
お前誰だよと思ったに違いありません。
私は金融関連の職種でもなんでもない、お金や投資に関しては知識も経験も素人の会社員女です。
26歳で1000万・29歳で2000万といったような平均よりはちょっとだけ多めかと思われる資産形成の実績があるだけの一般人です。
特技は特にないのですが、人ごみに紛れればカメレオンのように背景に溶け込める、「地味」という属性を活かした究極のモブになれる能力があります。
◆このブログは何だ書籍化のお話をいただくきっかけとなったこのブログですが、実は私は特に投資や貯金のジャンルをテーマにブログを書いているわけではありません。
書きたいことを書いていたらなぜかカネの話が増えてしまっただけです。
ありがたいことに他のブロガーさんから「(インデックス)投資ブロガー」とご紹介いただく機会が増えてきたのですが、自分では「ネットの片隅で好きなことブツブツと書いてる人」くらいの気軽さでブログを書いています。
ブログを始めた理由を思い出そうとしたのですが覚えていなかったので、過去に書いた
はじめましての記事を参照しました。それによると
なんとなくブログを始めたという
究極にどうでもいい理由で始めたようです。そりゃ覚えていないわけだよ。
もっとも、身の周りに話ができる人が周りにいなかったのでまったく知りたいお金の情報が不足していて難儀していた…友達に全然将来に向けての投資の話が通じなくて寂しい経験をした…ということもあり、誰でも見ることのでき、誰とでも語ることができ、かつ匿名でできるブログという媒体で、備忘録も兼ねて日々の生活やら貯金やら投資やらの話を細々と書き綴っておりました。
「29歳で2000万」などという承認欲求バリバリのキャッチーなタイトルで発売された著書ですが、
当ブログは書籍化されることなどもともと想定しておりませんで、ひっそりと始まり、ひっそりと誰に知られることなく終わるはずのブログでした。
今更新が続いているのは、読んでくださる、構ってくださる方々がいるからです。感謝、感謝です。
時折おっさんのような趣味話が香ったり、公開家計簿での美容費が女子どころか普通のおっさんよりも少なかったり、
そもそも文体がおっさんくさいという点が「実はおっさんではないか」という疑惑を集める要因のようなのですが、ピンクのテンプレートを使ったこんなに女子力の高いブログですのに
まことに遺憾です。
◆どんな人に向けてのどんな本?本発売から一ヶ月、数々の書評を拝見するうちで買う前に知ってもらうべきポイントがいくつかあることがわかってきました。
主に「タイトルから内容が推測しにくい」ことが要因のようでして、そのため評価が低くなってしまうこともあるようです。
まずお詫びと誤解の訂正をさせていただきます。
この本には立派な投資理論ではなく泥臭い「一個人のマインド」が書かれておりまして、既に自分のやるべきことがわかっていて、自分の方法が確立している方にとっては本書の内容は物足りなく感じるかもしれませんし、実際投資ブログで紹介されていることの多い本書ですので、一体どんな投資理論が展開されるのだろうと期待して開いてみたら既に見知ったようなことしか書かれてなくてガッカリした…ということもあるのかもしれません。
既に投資本を期待して買ってしまわれた方、申し訳ございませぬ。
また、私は年間支出は100万以下ですが特別な固有の節約術があるわけではありません。
年間支出を100万以下に抑える節約術の指南本を期待して買ってしまわれた方、申し訳ございませぬ。
もっとも、支出の考え方についてはあますことなく書いていますよ!
「これを実践すれば必ず万人が資産を数年で2000万にできるよ」という情報商材でよく見られる”裏道的な”内容ではなく、比較的オーソドックスな内容に落ち着いていると思います。
どんな収入でも誰でも2000万貯まる方法が書かれた本を期待して買ってしまわれた方、申し訳ございませぬ。
興味を持っていただき、いらっしゃった方の中には私の手取り月収が40万以上あって、年収600万を7年間続けてきたと勘違いされる方もいらっしゃるようなのですが、実際は手取り月収40万など到底及ばず。初年度の年収は額面330万円で、その時の年間貯金額は200万です。
年収とは資産形成を行う道具の一つでしかない。
貯めるのと稼ぐのはまた少し異なる力で、収支のバランスを取る力、やはりマインドが必要なのだと思います。
ブログでも直近2年くらいの年間支出額を公開しているので、興味のある人は見てみてね。
他のブロガーさんに書いていただいたいくつかの書評で既にうすうす感じておられる方もいらっしゃるのではないかと思うのですが、この本には詳しい金融商品の知識や、儲かる投資の方法について書かれてはいないのです。
誰でも簡単に儲かる方法があるなら私が教えていただきたい。
じゃあ何を書いてるんだよということですが、
最初に書籍執筆のお話をいただき編集者の方と実際にお会いして打ち合わせをした時、企画書をいただきました。
「28歳で1800万貯めたITTINさんのお金のマインドを、これから貯金や投資を始めようとする人達に読んでもらいたい」というコンセプトだったと記憶しています。
(遅筆のため書いてる間に29歳2000万になっちまいまして、タイトルはきりのいい数字を使うことになりました)
というわけで想定読者は
20代~30代の若者(かつ女性)…の、
はずでした。
実際はインデックス投資家の紳士淑女達がこぞって全国の本屋に出没し、電車内でピンクと黄色で彩られた著書を堂々と読む猛者が現れるなどの現象が勃発したことに爆笑しつつ、男女問わず多くの方に手に取っていただける結果になり、まことに嬉しく存じます。
「専門的な話になると難しい…もう読めない… となってしまう人が多いと思います。
お金の入り口として、やさしい言葉で、難しい話はなるべく避けてほしいんです」
というお話が出版社さんからありましたので、「確かに、社会人になったといっても、私も
円高・円安の概念ですら高校の知識で止まってたからなあ。
そうだ、6年前の、貯金や投資のこと、何も知らなくて困っていた自分のような人がきっといるはず。
その人達に向けて書いてみよう。」
と、
投資未経験、これから貯蓄を始められる方が、難しいからと挫折することなく気軽に読める内容を意識して書くことにしたのです。
プロという肩書きがない代わりに、市井のブロガーが書く本にしかないメリットは、何だろうと考えました。
それは、
・本を買う人と同じ立場・同じ目線で書けること。
・特定の金融商品や投資手法を「これを買え!!」と勧める本にならないこと。
すなわち、金融商品を「売る側」の人間が書いた本にはならないことだと私は思いました。
だって素人の私は、「その商品を売らないといけない人たち」の書いた文章に6年間惑わされてきたのだから。
”学ぶべき知識”が既にわかっている方であれば、さっそくその分野の専門書を手に取るのが早道でしょう。
しかし、その”学ぶべき知識”がわからない。
世の中には聞きかじった程度では理解できないたくさんの経済・金融知識が溢れていて、人の数だけおすすめの貯蓄法があって、数多ある金融商品や投資法をそれぞれの立場から勧める人がいる。
「プロ」の書いた本は確かに知識を得るのには向いていますが、それが「私」にとって有益なのかということは誰も教えてくれません。
自分で考えるしかありません。
自分の言葉を自分の伝えたい人達に伝えるには、
「実績に基づいて、自分がやってきたことや考えてきたことを、できるだけ平易な言葉で示すこと」が相当なのだろうと思いました。
知識は後からついてくるけれど、まずはマインド。
「マインド」がなければ、膨大な情報の海から、自分にとっての有用な知識は得られないのです。
かつての私と同じように、同じことで悩んでいる人に本書を手に取っていただきたいなあと思います。
自分の実体験があったからと言って万人が模倣できる、私の真似をしてねなどとは一切言うつもりはありませんが、この本には年収とは関係ないことを書いたつもりです。
長くなりました。
もちろん一個人の価値観が万人にとって共感できる内容であることなんてあり得ないし、色々な感じ方があるのでしょうけれど。
多くの人に読んでいただけて、役に立ったと言っていただけたら、著者としてはそれだけで十分で、その声が純粋に嬉しいというそれだけのことなのです。
長い文章をお読みいただきどうもありがとうございます。
今後も当ブログと著書をよろしくお願い致します。